またうっかり気分の悪くなる動画を見てしまいました。ボトックス製剤のための動物実験を調査したときに撮影された映像とのことで、思わずクリックしてしまったんですが・・・ちょっと、あまりに・・・。あんなに大量のマウスの死体、しかもみんな若くてまだツヤツヤな子たちなのに死んでるなんて・・・いきなりショックです。
マウスの背骨を折って殺処分しているシーンも確かにありました。てか、背骨折った後も、生きてますよ。動いてるもん!! ボールペンかどうかなんてちゃんと見てなかったけど、また見る気にもなれない・・・。記事によれば、そのボールペンを使って死亡記録を記入したそうです。(うげー)
Staff maim lab mice with ballpoints
http://www.timesonline.co.uk/tol/news/uk/article6898099.ece
The Sunday Times 11月1日
撮影された場所はウィッカム・ラボラトリーズ、カメラは隠しカメラ、調査期間は8ヵ月・・・って、BUAVもご健在ですね(汗)。
ここでテストされていたディスポート(Dysport)は、イプセン社のA型ボツリヌス毒素製剤の商品名だそうで、日本でも使われているみたいです。
ウサギの映像もありましたが、ウサギが暴れているシーンは注射をやりそこなったからだったんですね・・・。
多くのウサギを用いた実験がイギリス政府によって許可されているけれども、国際的な製薬試験の基準のもとでは必要ないものだと書いてあります。内務省自身は、ウサギではなくヒトの血液を使った代替法が使えると自慢しているのに。
そして、このウィッカムで使われる実験動物たちの福祉を監督するために雇われた獣医であるウィリアム・カートメリは、この会社の創設者で大株主でもあり、毎週の点検は15分だけだったそうです。3月には、たった8分だけのときもあったとか! それでも、動物が苦しんでいないと確認するのに十分だったと主張なさっているそうです。(ありがち(–;)
ディスポートは、イギリスでは、眼瞼痙攣・顔面痙攣などの治療のために認可されている医薬品で、シワとりについては「未認可」で使われています。
歩けなくなっていたマウスたちは、やはりこの製剤を注射されたマウスたちですね。死ぬ前に呼吸困難におちいるマウスもいるそうです。実際には、殺処分されるマウスより、試験そのもので死ぬマウスの方がはるかに多い・・・。
試験はLD50ですが、ディスポートの毒性を試験するためのこれに代わる方法がすでに開発されており、イギリスのほかの研究所ではその試験管試験が使われているそうです。マウスも使うのですが、使用する数ははるかに少なく、死んだりしない方法です。
しかも、ボトックス毒素の研究者であり、「ボトックス博士」として知られるニック・ロウ博士も、未だにLD50が使われることに驚いているとか!
でも、ボトックス製剤は製造ロットごとに安全性確認が必要な製剤のはずで、なんだかこの辺りから美辞麗句が並び始めているような気がしなくはないのですが、ディスポートを製造するイプセン社も、ウィッカムに対して「重大な申し立て」をしているといったことも書いてあります。
少なくとも改善はされるのでしょうか? ウィッカムの責任者は、「技術者は広範囲なトレーニングを受ける」とか「実験動物の福祉とケアは何よりも優先される事項だ」とか言っているようです。