動物実験されている商品の具体例 [1]

2003.11月up
2004.9.26更新

改正薬事法施行後にあたる平成14年12月25日、厚生労働省から「化粧品基準の一部改正について」という通知が出されました。その中に、ドロメトリゾールトリシロキサンという物質が新たにリストに掲載された旨が書かれています。

通知の文中にある「化粧品に配合することができない範囲及び化粧品に配合することができる紫外線吸収剤の範囲」を変更するためには、現在動物実験のデータが使われており、このドロメトリゾールトリシロキサンに動物実験のデータが添付されたのは間違いありません。

では、この「ドロメトリゾールトリシロキサン」はどこのメーカーがデータを提出したのでしょうか?

検索を試みたところ、ランコムの「UVエクスペール50 XL」という商品の成分表を載せているサイトが引っかかりました。この商品をランコムのサイトで見ると、「2003年4月11日(金)より新発売」。

この厚生省通知の約4カ月後です。さらに、「新成分<メギゾリル XL>と<メギゾリル SX>を同時配合」とあります。

一見名前が違っているように思えますが、ランコムの大元、日本ロレアルのサイトにはメギゾリルXLが2002年12月に厚生労働省より認可を受けたことが書かれており、メギゾリルXLがドロメトリゾールトリシロキサンの商標名であることがわかります。

薬事法改正によって、新成分であっても動物実験は必要なくなったと思っている方も多いようですが、やはり今後も「新成分配合」に関しては調べてみる必要がある実例です。

厚生労働省は、薬事法改正後、数件の認可申請が、数社から出されていることを認めています。ということは現在、日本に少なくとも数社は動物実験をしているメーカーがあることになりますが、どのメーカーがどの商品に対して動物実験をしているのか、市民が見張って行く必要性があるのではないでしょうか。

ちなみに、このドロメトリゾールトリシロキサン認可申請の際の実験データの公開については、パブリックコメントで「公開すべきだ」との意見に対し、厚生労働省は情報公開請求をするよう答えていますが、情報公開請求しても公開されることはありません。

かわりに、国立医薬品食品衛生研究所医薬品医療機器審査センター(現・医薬品医療機器総合機構)が作成した報告書は下記です。日本ロレアルの行った動物実験の概略がわかります。

PDF ポジティブリスト収載希望成分の評価に関する報告書

 

○化粧品基準の一部改正について

(平成14年12月25日)

(医薬発第1225001号)

(各都道府県知事あて厚生労働省医薬局長通知)

平成14年12月25日厚生労働省告示第389号をもって、化粧品基準(平成12年厚生省告示第331号)の一部改正が別添のとおり改正され、同日から適用されることとなったので、下記について御承知の上、貴管下関係業者に対して周知徹底を図られたい。

1 改正の趣旨

薬事法第42条第2項の規定に基づき、化粧品基準の一部を改正することにより、化粧品に配合することができない範囲及び化粧品に配合することができる紫外線吸収剤の範囲をそれぞれ拡大したものであること。

2 改正の内容

(1) 別表第1を改正し、新たに、当該告示により規定された原産国以外の国を原産国とするウシ及びその他類縁反芻動物(以下「ウシ等」という。)に由来する原料からなる成分及びウシ等に由来する原料で当該告示により規定された部位からなる成分を配合禁止成分に追加したこと。

なお、厚生労働省医薬局長が使用を認めるものとは、平成13年10月2日付医薬発第1069号厚生労働省医薬局長通知「ウシ等由来物を原料として製造される医薬品、医療用具等の品質及び安全性確保の強化について」に規定されているものをいう。

(2) 別表第4を改正し、新たに、紫外線吸収剤として、ドロメトリゾールトリシロキサン

を粘膜に使用することがない化粧品のうち洗い流すもの及び粘膜に使用することがない化粧品のうち洗い流さないものにおいて100g中の最大配合量として15.0gまで配合できることとしたこと。

別添 省略

戻る