平成11年 動管法改正の動きの中で
※吉田幸弘議員は、歯科医師。1999年は、旧・動管法が初めて改正された年ですが、この質疑はやはり、どちらかというと、動物保護は研究阻害という立場から守りに入っている印象を受けます。
第145回国会 衆議院厚生委員会 9号 平成11年05月18日
○吉田(幸)委員 (中略)
今、一問目、二問目をお話しさせていただいて、いずれにしても、予防面においてもまた高齢者においても、歯科医療というのは非常に重要ではないかというように認識をしていただいているということはよくわかりました。
この歯科保健医療の重要性について十分に御認識をいただいているということであれば、今、研究面において極めて重要な問題が発生してきております。これは、歯学研究や医学の研究を行う上で、動物実験というのは極めて重要な行為だと私は認識をいたしております。
私は歯医者だといっても、大学院では生理学を専攻いたしまして、かみ合わせだとかあごの動きだとか、そういうことを学ばせていただいたのですが、やはり動物を使って実験をさせていただいたわけです。私どもも含めて多くの研究者というのは、それに対してきちっとした姿勢で取り組んで、医学の向上のために行うという認識を持っているにもかかわらず、動物愛護の観点からこの研究者の姿勢というものを理解していただけないような意見も少なくはない。特に、最近においてはますますそういう声が上がってきているというふうに聞いております。
動管法、この法律を改正しようとする動きがあるということも聞こえてきております。研究を阻害するということもあります。また、動物愛護という、これも極めて必要な考えかと思います。この点に関して、現在、厚生省ではどのような状況になっているのか、また、今後の取り組みについてどのようになっていくのか、お伺いをいたします。
○真野政府委員 動物実験は、歯学、医学、薬学等におきます研究を推進する上で、先生おっしゃられましたように、重要な実験過程であるというふうに私どもも考えております。
一方、動物愛護につきましても、これもまた一つの重要な理念でございまして、現在、先生おっしゃられますように、動物の保護及び管理に関する法律につきまして改正の動きがあるというのは私どもも承知をいたしております。
これまで動物実験の実施に当たりましては、この動物の保護及び管理に関する法律に基づきます総理府の基準に基づきまして、実験などに当たりましてできる限り動物に苦痛を与えないよう、関係試験研究機関及び関係の研究者の方々に対し周知徹底を図ってきたところでございます。
厚生省といたしましては、今後とも、こういう法律改正の動きも注視しながら、引き続き動物実験が適切に行われるように努力をしたいというふうに考えております。
○吉田(幸)委員 適切に検討ということですが、とにかく人を使ってなかなか実験ができるものではありません。ですから、重ねてのお願い、また考えになりますけれども、いずれにしても、現在、医学、歯学に関する研究者は、明らかに我々人類のために動物を使わせていただいておりますが、このことで心を痛めずして動物実験をやっているのではないということだけ強く重ねてお伝えしたいと思います。
(以下略)