※化審法改正のときの衆議院の質疑です。答弁で代替法のことを答えています。ほかの質疑も興味深いですが、関連するところだけ切り取りました。

 
第171回国会 衆議院経済産業委員会環境委員会連合審査会 1号 平成21年04月08日

(前略)

○田島(一)委員 (中略)

 次に、生態系への影響評価についてなんですけれども、この生態影響評価について、どのような手法を確立されようとしているのか、また、効率的なデータを収集していくことについてどのような認識をお持ちなのか。昨年、環境委員会の方で生物多様性基本法をつくった者の一人として、この生態系への影響評価を大変重く受けとめているものですから、ぜひこの際、お聞かせをいただきたいというふうに思います。

○原政府参考人 現在、生態毒性の影響に係る評価方法については、先ほども少し御答弁させていただきましたが、藻類やミジンコや魚を使いました急性毒性試験、これで行うということで一応確立をされておりますし、さらに慢性毒性につきましても、同じような、ミジンコの繁殖試験でありますとか、それからユスリカの試験でありますとか、それらの慢性影響を判断するための方法というものを確定している段階であります。

 ただ、今後、このようないろいろな動物実験によらない迅速かつ効率的なデータ収集も課題となっておりますので、例えば化学物質の構造から毒性等を推定する手法でありますとか、あるいは、例えば魚の卵を使った、そのような細胞毒性というものの手法の開発あるいはそれらの評価、これらの調査、開発を進めていきたいと考えております。

○田島(一)委員 とにかくいろいろな方法が多分これから先、開発されていくのではないかというふうに思っております。技術開発という点についてもぜひ力を入れていただきたい、お願いをしておきます。

 あと、今回の化学物質のリスク評価における透明性であるとか客観性を確保していくということについて、この法改正に当たってどのような御認識をお持ちなのか、ぜひお聞きしたいんです。評価結果はもちろんのことなんですけれども、そのデータであるとか手法、そして評価計画などを公開していくということがこれから求められていくのではないかというふうに思っておるんですが、経産省の方はその点についてどのようにお考えなのか。

 また、あわせて、評価、審査にはいろいろな主体の参加というものが必要だというふうに考えておりますけれども、その主体の参画等々について体制整備を行うつもりはあるのかどうか、その辺の意気込みをあわせてお聞かせいただきたいと思います。

○後藤政府参考人 お答えを申し上げます。

 国が化学物質のリスク評価をします際には、先ほど来も御答弁で申しておりますとおりに、暴露の量ですとかハザードの大きさなどを勘案いたしまして、総合的なリスクの評価をしてまいります。
 こういう評価をしてまいります際には、新しい化審法、これを成立させていただきますと、そのリスク評価の手法を公表してまいりまして、幅広い関係者に御活用いただけるようにしたいと考えております。

 また、その手法に基づきまして実施しますリスク評価の結果につきまして、どういうぐあいに公表するかというお尋ねでございます。

 この評価の結果につきましては、審議会の意見を聞くこととしてございまして、その審議会と申しますのは、客観性ですとか高度な専門性というようなことから、毒性でございますとかこうした分野の学識経験者で構成する審議会を設けまして、そこで科学的知見に基づく意見を聞くということを予定してございます。

 その結果につきましてでございますが、これは、個別企業の競争上の地位、一社しかつくっていないとか二社とか、そういうのは、どれだけの活動量でしているというのはそれが反映されたりということになりますので、こうしたところに影響を及ぼさない、そういうことも考えまして、可能な限り公表してまいりたいと思っております。

○田島(一)委員 確かに、この化学物質に関しては、企業活動においては企業秘密と紙一重の部分でありますから、もちろんその情報の公開という点についても大変制約があることは想像できます。

 しかしながら、企業秘密というのが一種の隠れみのになってしまわないかという点もやはり我々は心配をいたします。この辺の線引きが、経産省にとってきちっと見破れるのかどうか、多くの皆さんが知りたいと思う情報が入らない理由として妥当というふうに思われるのかどうか、その点が、やはりこの先不安を何かかき立てているところがあります。

 そういった点を、企業秘密という一言ですべて隠す理由にすることのないような工夫がやはり私は必要だと思うんですけれども、何か特段お考えの部分がありますか。

○細野政府参考人 お答えを申し上げます。

 いわゆる有害性情報というのは、それ自体は恐らく企業秘密にダイレクトにはならない可能性が強いと思っております。もちろん、いろいろな試験をしたり、いろいろな物質の組成を支えている諸条件、こういったものはかなりビジネスシークレットになると思いますが、有害性情報そのものは、比較的、国民の財産として活用したらいいというふうに思うところがあろうと思います。

 それから、累次の御説明で、国が試験をする場合もあるんだということを申し上げました。これは国がやるわけでございますので、これについては、その試験の結果をかなり幅広く共通財産にさせていただきたいと思っております。

 したがいまして、有害性情報そのものについて、できるだけいろいろな方に情報提供するべきだという御指摘はそのとおりだと思いますし、先ほどの国費をもってやるものも含めて、そこについては、できるだけ情報を共有という観点で最大限の工夫をしてまいりたいと思っております。

○田島(一)委員 非常に悩ましい、ぎりぎりのラインでの公開か秘密かという部分だというふうに思います。後々、出さなかったことが大きな問題を及ぼすことのないように、そのあたりだけはぜひ心していただきたいとお願いをして、次の質問に移りたいと思います。

(以下略)

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