1975年の国会会議録より

大出分科員大出俊

※旧「動物の保護及び管理に関する法律」ができた直後の国会会議録です。

 

第075回国会 衆議院予算委員会第一分科会 1号 昭和50年02月24日

○大出分科員 動物の保護及び管理に関する法律に基づきまして、短い時間ではございますが、少し承りたいのであります。

 これは総理府の皆さんが御存じのとおりに、私自身の立案でございまして、委員会発議の形をとっていただいて成立をさせていただいた法律でございまして、そういう意味では、実は私も共通の責任を負わなければならぬ一人でございます。

 ただ、この法律が通りまして、大変たくさんの方々の関心がこの法律にございまして、手紙、電話引きも切らぬようなことに実は今日なっておりまして、できた結果として、こんなにもたくさんな方々に関心があるのかということに、かえって予想以上に私、驚いているわけでありますが、それだけにまた反面、批判もたくさんございます。総理府の皆さんには大変お骨折りもおかけいたしております。特に、自治体で戸惑っている方々もたくさんありまして、逐一整理をして進めていかなければならない責任を感ずるのでありますが、そういうことで少し承りたいのであります。

 その前に一点、これは総務長官に承りたいのですが、たしか沖繩の海洋博は総理府所管だったと思うのでありますけれども、メキシコ闘牛を持ってきて沖繩で闘牛を見ようというキャッチフレーズで、会場をつくる地鎮祭のようなことがかつて行われた、昨年のたしか十一月ごろでございましたか。これが、その後どういうことになっているかという点をちょっと承りたいのです。

○植木国務大臣 この法律制定に当たりましては、大出委員が大変お力を尽くされたこと、私も十分承知をいたしております。

 ただいま御質問のございました沖繩海洋博問題でございますけれども、海洋博覧会の運営は通産省の所管になっております。しかし、私も沖繩開発庁長官をいたしておりますので、先日沖繩を訪問いたしました際に、ただいまお話しのようなメキシコ闘牛を沖繩へ持ってきて興行をしようとする者があるということを聞きまして、その事実問題についていろいろ調べたのでございますけれども、現在のところ、私の個人的な見解といたしまして、メキシコ闘牛は日本人の国民感情から申しますときわめて残虐でございます。したがいまして、これはやるべきではないという意見を私は申しております。

 その後、まだ的確なことは聞いておりませんけれども、メキシコ闘牛ではなしにポルトガル闘牛にかえてはいかがであるかというようなことをいま申し出ているようでございまして、この点につきましては、いまのこの法律の趣旨を生かしたものでなければなりませんし、これにかかわるものでございましたならば、私といたしましては、そういう残虐な興行は行うべきでないということを強く主張いたしたいと存じております。

○大出分科員 実は新聞の記事によりますと、これは四十九年十一月十二日でありますけれども、非常にかっこいいキャッチフレーズになっておりまして、フェスティバル式に写真入りで載っております。スペイン闘牛というのは旧植民地等にたくさんございまして、メキシコもそういうわけでありますが、目の前で牛が殺される、時には闘牛士が死ぬという関係にございます。日本古来の闘牛というのもございますが、新潟であるどか愛知であるとか、もちろん沖繩にも古来の闘牛があるんでありますが、これは牛の角を合わせて押し合いをさせる、囲いの中にもちろん入れるのでありますが、この前後に牛の品評会がありまして市が立つ、そして品種改良と抱き合わせて進めてきているという歴史がございまして、もちろん牛が死ぬわけでも何でもございません。力の強い方が片一方を押し出すという競技であります。実は当時いろんな人から意見も、質問もございまして、日本古来の闘牛は歴史的な背景があるので認めていきたいということを私も答えておりますので、メキシコのような場合は、あるいはスペインのような場合は、これは認めるべきでない。

 その理由は、各国にスペインの闘牛の形のものを入れようという方々がおりまして、国が法律で残虐行為だというので厳禁をしている、そういう国がたくさんございます。ある意味の国際常識みたいになっているわけでありますので、何とかこれは御遠慮をいただけないものか。沖繩にもあるわけでありますから、古来の日本の闘牛であればそれなりに認められる、そういう性格のものでありますので、またこれは非常に深い意義がありますから、そこらのところはぜひひとつ、所管の相違等はございましょうが、愛護法そのものは――通称愛護法でありますけれども、総理府の所管になっているわけでありますので、ぜひその点は特段の御注意をお願い申し上げたい、こう思うわけであります。

 次に、この法律に基づきまして、三回ばかり地方自治体等に文書で通知をお出しになっているわけであります。そこで、これは四十九年四月九日の通知、内閣総理大臣官房管理室長さんの名前で出されておりますが、この中で、二ページ目のところでございますけれども、「動物の飼養及び保管に関する基準」これは四条二項でございます。「犬及びねこの引取りを求められた場合の措置に関する必要な事項の定め」これが法第七条六項でございます。さらに、「公共の場所における犬、ねこ等の負傷動物等を収容する場合の措置に関する必要な事項の定め」これが法律第八条三項でございます。四番目に、「動物を殺す場合の方法に関する必要な事項の定め」法律の十条二項でございます。さらに五番目に、「動物を科学上の利用に供する場合の方法及び事後措置に関する基準」これは法律の十一条の三項でございます。大きな問題、これは五つあるわけでありますが、現状変革を余り極端に求めることは混乱を起こします。したがって、保護審議会等で十分な専門家の御意見を集約していただいて、逐次という形に実は私は考えてきたのであります。したがいまして、保護審議会でいろいろ御論議をいただいているところであります。

 そこで、この五つの点について、どこまでいまお進めをいただけたのか、かつ、これからどういうふうに動いていくのかという点を、時間がございませんので簡単で結構でございますが、ちょっとお知らせいただきたいと思います。

○植木国務大臣 ただいまのお話の犬とネコの引き取り状況でございますけれども、都道府県等が行います引き取りについては、まず犬につきましては、従来狂犬病予防法がございましたので、これによりまして引き取りが行われておりまして、昭和四十八年度におきましては全国で五十二万頭でございます。

 ネコの引き取りにつきましては、動物保護法が施行せられまして新たに引き取り義務が都道府県に課せられましたので、逐次各県においてその業務を実施しているところでございますが、これはまさに新しい画期的な事業でございます上に、いろいろ技術的な問題がありますために、東京都と京都府、さらに大阪市を除きます指定都市におきまして、引き取り業務を実施しているというのが現状でございます。他の府県につきましてはまだ実施をいたしておりませんが、四十九年度からは、青森県等五県におきまして引き取り業務が実施されるようになったと伺っております。昭和四十九年度四月から六月までの第一・四半期におけるネコの引き取り数は、二万匹であるというふうに数字を把握いたしております。

○大出分科員 このほかに、大都市なんかにおきましても、獣医師の方々、獣医師会の方々の御協力をいただいて、獣医師会に全面的に委託をしてやっているところなどもございます。ところで、そうなりますと、獣医師さんの方からいろいろ意見の出てくるところでありまして、ここにも、獣医師さんの非常に細かい文書になった意見等も実はあるのであります。

 そこで、いまの点につきましては、その後負傷動物の問題とあわせまして、四十九年の八月十九日に同じく総理府から、「ねこの引取り等について」の通知というのが出ております。この両方をめぐりまして、保護審議会の側で、ネコの引き取りにつきまして、できればもう少し詰めた議論がほしいと実は思っているわけであります。

 ここに、板橋区に配られているものがあります。「動物保護管理法制定第一回動物愛護週間記念行事」ということで、「ネコの出産率 生後六ヶ月のメス猫は、人間の十四-十五才に当ります。うみながら成育し、年間三-四回(一回に三-五匹)の仔ねこをうむのです。」こう書いてありますが、したがって、十匹から二十匹ぐらい子供を産んでしまう、こういうことになる。

 したがって、やむを得ぬということで、その後どうなったか聞いておりませんが、板橋区では、おそらく区議会にお諮りになったのでしょうが、たくさんのネコとり器を用意されて貸し出してネコをとるということで相当大きな騒動になりまして、板橋区で、飼いネコを守る会というようなことで、全国から署名が集まったり、区と住民団体の間でいろんなやりとりが続いて尾を引いている、こういうことであります。

 ここらのことも、やはり何らかの道筋を立ててあげませんと、区長さんは区議会に諮ったとすればそういう意思もあるわけでありますから、いたずらにトラブルが絶えない。私は立案者ではありますけれども、この法律の立法の趣旨についてと総理府に承ると、実は法律をつくったのは私のところではなくて大出代議士がつくったのだと言う。したがって、立法の趣旨となると私のところへ連絡がかかってくるわけでありまして、それなりのことを申し上げておりますけれども、やはり運用は、法律ができますと政府がおやりになるわけでありますので、そこらあたりなかなかむずかしい問題がございますけれども、この辺について、この通達の引き取りの問題とからみますので、どういう御見解をお持ちかという点で、できる範囲で少しお述べをいただきたいのです。

○島村政府委員 お答えいたします。

 板橋区の問題につきましては、実は御承知のように、のらネコが金魚なんかをとるというので非常に迷惑をかけるということで、板橋区の区役所の方で、そういうネコとりのかごを無料で貸し出しまして、そしてのらネコをとるということを考えたようでございますが、これにつきましては、非常に反対意見が多うございまして、したがいまして、去年の末にとうとう板橋区の方でも、これを取りやめたというふうに私どもは承っております。

 私どもとしましては、基本的には、やはりネコを引き取って、そしてそれを処分していくということを実は考えておるわけでございまして、いまさっき先生が言われましたように、私どもは、ネコ及び犬の引き取りにつきまして一応基準を、審議会の答申を得まして作成をいたしました。近く課長会議等を開きまして、これについてさらに詳細に各県及び地方公共団体に指示をしてまいりたい、こういうふうに考えておるわけでございます。

○大出分科員 専門家といろいろ相談をいたしますと、のらネコというのは非常に警戒心が強いものですから、ネコとり器に意外に入らないのですね。したがって、のんきに飼われている飼いネコがほとんど入ってしまうのです。だから、区で貸し出しをする、仕掛ける、入るのは飼いネコであるということになるものですから、そこらじゆうでかわいがっていたネコがいなくなるということで、小学校の先生まで動員されて子供の騒ぎになるということになる。ここらも、つまり正しい飼養といいますか、動物の習性といいますか、そこらが非常にPRが足りないというのですね。法律上はそういう飼養のあり方を国が明らかにするように書いてある法律でございます。

 犬なんかでも、紀元前八〇〇〇年という時代にすでに飼い犬でございますが、集団で穴の中に住んでいた穴居生活をしていた動物であります。世の中が複雑になって、コンクリを流してきれいな犬小屋を置いてそこに犬を置いておく、御夫婦共かせぎである、あと留守番は犬だけがやる。最近のビタワン式のものを買ってきて置いておくだけだという。本来土の上にいないと安定しない動物であり、動くものは追う性格を持っておるわけでありますから、安定しない。コンクリの上ですから。ついに綱を切って飛び出す、隣の奥さんが逃げるから追いかける、動くものは追う性格がありますからかむ、なお逃げるから大きな被害になる、そうすると犬が悪い、こういうことにこれはなるわけでありますが、本来これは人間が悪いわけでありまして、つまり、そういう正しい飼養のあり方を、保護審議会等を使っていただいてなるべく早く表に出していただきたい。いまのような、区長さん以下習性を余り御存じないから、やたら飼いネコをとってしまうということになったのでは、これは騒ぎが起こるのはあたりまえでありまして、本来屋根の上や町中にいるネコというのは、飼いネコかのらネコかわかりませんから、そういう騒ぎが起こってしまう。これは笑えない社会問題でございますから、そこらを、ぜひひとつ早目におつくりをいただきたいというお願いをしておきたいのであります。

 あわせて予算と絡んで――どうも藤井さん等おいでになって、そちらに承るのじゃないのでありますが、少しそこらを考えていただきませんと、なかなかやる気があって、聞いてみると、引き取る気持ちはあるわけでありますけれども、獣医師さんに委託をすると、必要な金ということになります。獣医師会の方の方々も、町で小動物を扱われるりっぱなお医者さんでありますから、逆に今度は、そういう意味で何か協力をしようという気持ちでやっても、それが獣医師さんの利益につながるという意味で、一つの大きなプライドを傷つけられるということであってはやりにくいという問題も出てくるわけであります。したがって、早くそこらの整理をしてあげたいものだという気がするのであります。予算との関連等がございますが、そこらを踏まえて、せっかくお出しをいただいたわけでありますから、特にネコの引き取り等について通知、こういうわけでございますので、そこらのところまでちょっと入ってお考え方を聞かせておいていただきたい。

○島村政府委員 お答えいたします。
 いまさっき先生が申し述べられました五項目の点でございますが、すでに私どもの方は、ここに書いてございます二と三の項目については、昨年の十一月に審議会の答申を得まして、それで近く課長会議を開きまして、細部の指示をしたいというふうに実は考えております。

 それから、一の「動物の飼養及び保管に関する基準」につきましては、現在犬及びネコについて、この審議会におきまして議論を何回か賜っておりまして、これにつきましても、近くこれを決定してまいりたい、こういうふうに考えております。

 それから、四、五につきましては、これはできるだけことしじゅうに決めてまいりたい、こういうことで、現在鋭意準備を進めているというのが現状でございます。

○大出分科員 狂犬病予防法と保健所という旧来の関係がございまして、犬の引き取りはやっている。そこでネコを扱っている団体もございました。ところで、全国的にながめてみまして、引き取り施設、これは県知事さん等に責任を持っていただいて関係市町村を指導するような形になっておるわけでありますが、それが、熊本の例があったり、広島でいろいろ研究されている例があったりいたしますが、その後、施設の問題等につきましては、予算的なものを含めましてどんなふうに動いておりますか、ちょっとお知らせいただきたい。

○植木国務大臣 動物の保護及び管理に関する法律の施行費といたしまして、五十年度は一億二百四十一万円計上をいたしておりますが、そのうち、ただいま御指摘のありました動物収容施設整備費の補助金といたしましては九千三百三十二万五千円を計上いたしているのでございまして、これは都道府県に対しまして、犬、ネコの引き取りに関する暫定基準を示しまして指導を行いながら、こういう収容施設に収容いたしますように五十年度は配慮をいたしているのでございます。

○大出分科員 わかりました。大体本年中ということで、四、五というところまで事が進みそうであります。
 ところで、ここで一つ大きな問題は負傷動物の件でありますが、これは意外に最近多いわけでありまして、人間が毎日交通事故で亡くなったりけがをされたりする方があると同じ意味で、飼い犬、飼いネコの非常に大きな被害もある。これは警察庁あたりも非常に力を入れておられた点なんでありますけれども、外国の法律にはずいぶん細かい規定をしているのがございます。

 お出しになったこれを見ますと、ちょっと一般的に非常にわかりにくい表現が使われている感じがするのであります。この負傷動物の取り扱い、この公共の何とかを占有している人の云々と、こう書いてあるわけですが、ここらは、具体的に言うと、負傷動物の扱いはどうしろと言っているのか。

 たとえば、フランスなんかの場合ですと、交番のお巡りさんに言えば、お巡りさんが見て再起不能であるかないかを判断する、助かりそうならすぐ獣医師さんを呼んで、治して収容する。そして登録犬というのは、日本でも登録犬の方がはるかに多いわけでありまして、三百万頭以上登録犬でございます。野犬が五十七万頭しかいないわけであります。未登録が八十万ぐらいおります。したがって、この持ち主が、犬の場合は比較的わかりやすいわけであります。したがって、そういう手続を経た場合には持ち主にその費用は負担をさせる、こういう法律になっているわけですね。そこらとあわせまして、ここで言わんとするところは一体何なのか、ちょっと御説明いただきたいわけであります。

○島村政府委員 負傷動物につきましては、一応大体普通の犬、ネコと同じように取り扱うということが中心でございまして、負傷動物を見つけた場合には、それを早急に県及び政令で定める市に届け出てもらう、そこにおいて適当な処置をすると同時に、それがもし飼い犬でございますならば、警察を通じてそれを返還するということを示しておるわけでございます。

○大出分科員 もう一つの大きな問題は虐待防止でありますが、国際的にもいろんな会議が開かれておるわけであります。私も昨年ちょっと外国歩きをいたしまして、二、三話もしたことがあるのですが、特に国外からすると、日本の動物実験その他には大変な批判があるわけでありますが、ここらのところは、最終的にどういうふうなまとめ方になりそうでございましょうか。

○島村政府委員 動物の虐待につきましては、これは非常にむずかしい問題でございまして、各国ともいろいろ法律で規制をいたしておりますが、実は各国によってそれぞれ違います。私どもといたしましても、この問題につきましては審議会等に相談いたしまして、そして具体的に内容を定めていく必要があるというふうに実は考えておるわけでございます。

○大出分科員 まだそういうアウトラインが決まっていないということなんだろうと思うのでありますが、これも実は扱い方によっては、いろいろまた社会問題が起こってくる。

 たとえば、これは産業動物とからみますから、この席ではあまり申しませんが、ブロイラーなる鶏、食用の鶏、これを、小さい体いっぱいのところに入れて動かさない。言うならば強制肥育ですね。くちばしをやすりですって短くする、そしてえさをついばんでも飛ばないようにする。病気になればそれだけ収入の面で減るから、えさには薬剤を多量にほうり込む。だから中には奇形が起こる。奇形が起こっても、これは肉にして売るのですから買う人にはわからない。だから獣医師さんから言わせると、薬剤をよけい入れ過ぎて肥育させるから、動かないですから病気になると言う。そのことは知らずに食べているわけです。三菱商事だけで年間七千万羽扱っていますけれども、たくさん奇形がある。だがしかし、それを知らずに食べていると言う。したがって、獣医師法を改正して――そこらの面は、獣医師に相談なしに勝手に肥育者がやってしまうという二つの面が出てくるわけですね、虐待ということと。それがテレビに映された途端に、食べるのがいやになった人はたくさんいるのですからね。これは牛の場合も同じことが言えるのですけれども、角は切っちゃって。ですから、そういう相関関係なども考えてみなければいかぬ。そこで、いまの点は産業動物とも関係がありますから、農林大臣の方に獣医師法改正問題とあわせて承ろうと思っておりますから、ここではよろしゅうございますけれども、一遍御検討おきいただきたいという点を指摘しておきたい。

 あわせて、特に問題は、最近非常に顕著なのは、ペットが多過ぎまして、犬なんかでも六軒に一匹ぐらいいるわけでありますが、ふえる一方であります。また、爬虫類を含めてのたくさんのペットがやたら無性に、これは異なところと思うようなところから日本は輸入してくる。ところが、人間と共通の病気がそれぞれたくさんあるわけであります。犬なんかであっても、ウイルスであるとか回虫であるとか非常に多い。ハトなんかでも、クリプトコッカスという症状などは人が死ぬ。あるいはトキソプラズマなんというのは、三百例からすでに臨床例が出てきている。あるいは鳥のオウム病もある。

 こういうわけでありますから、保護、愛護あるいは管理、自然保護、虐待防止、いずれも国際的に見てもやらなければならぬことなんでありますけれども、特にそこらのところを、やはり獣医師さんのような専門的な方が入っていただいている審議会でありますから、やはり早目に、正しい飼養という意味を含めて明らかにしていくべきである。動物を見れば、それが病気にかかっていて菌を持っていることはわかるわけでありますから、媒体になっている動物はたくさんいるのでありますから、すぐ獣医師に相談をする、やはりそこらのことをきちっとやっておきませんと、本来この法律は人に被害を与えないことが目的なんですから、そういう意味で、いまのあり方が私は非常に心配になるわけであります。

 したがって、そこらのことをぜひこれは御注意をいただいて、皆さんの方で早く、正しい飼養のあり方とあわせて明らかにしていく必要がある問題こう思っておりますが、そこらのところいかがでございましょう。

○島村政府委員 先生の御指摘のとおりでございまして、私どもといたしましては、犬及びネコの飼養管理の基準を、現在審議会にお願いをいたしまして、実は作成をしておりますが、それにつきましても、基準に基づきましてさらに細かいいろいろの、たとえば畜舎の問題でございますとか、いろいろの細部の点について、さらに注釈等の説明書をつくりまして、そしてそれを配付してまいりたい、こういうふうに考えておるわけでございます。

○大出分科員 実は、立案をしたのは私でございまして、非常に聞きにくいことなんでございますが、しかし、昨年九月初めての動物愛護週間もございまして、それなりに、公立保育園だと思いますけれども、三人に一人ずつとかステッカーその他を含めまして、いろいろ御配慮いただいているわけでありまして、御努力いただいているのでありますから、言うことないのでありますけれども、この法律ができたことによる新しい混乱が方々にございます。おサルの電車から始まりましてたくさんあるのでありますが、これは動物園の前園長古賀さん等とお目にかかったときに承りましたら、国際動物園協会の会合を開いたときにすでに指摘されていた、だから動物園側で何とかしなければならぬ、だが、しかし子供がということで、期間が延びていたのだということもおわかりいただいておるわけでありますけれども、そこらはなるべく新たな混乱は起こしたくないし、小さくしなければならぬ、そういうことで御努力願っているのはわかるのでありますけれども、ひとつ何とか早目に、飼養のあり方その他を含めましての一つの基準をお出しいただきますようにお願いをいたします。

 共通の責任を感じておりますので、質問させていただいた次第でございます。よろしくお願いいたしておきます。大変どうも……。

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