※「飼料の品質改善に関する法律」(現・飼料安全法)が改正されるときの質疑で、ペットフードと実験動物用飼料は、規制の対象にしない話が出ています。

 
75-衆-農林水産委員会-21号 昭和50年05月27日

○瀬野委員 養魚用の飼料に対しても今回規制対象とするということでありますが、これはもう当然のことだと思います。

 現在、現地からの報告によりますと、養鰻業に対しても最近AF2が使用されているということが言われておりまして、大変私たちも心配をいたしております。ウナギも安心して食べられないということになりかねないということで、私たちもいま調査を進めておりますが、こういうことも農林大臣も十分承知しておられるかどうかわかりませんが、国民の健康保持上からも政令事項ないしは省令事項の中に十分踏まえて対策すべきであると私は思うわけです。

 そこで、飼料品質改善制度研究会が検討経過の中でいろいろ指摘したところの愛玩動物とか実験動物に対する飼料については、今回本法の規制対象に加わっていないようでありますが、この点については、どういう理由からそうなっているのか、お答えいただきたい。

○澤邊政府委員 改正法案によりますれば、政令指定によりまして規制の対象に加えることは法律上可能な余地は残しておりますけれども、私どもの現在の考え方といたしましては、愛玩動物あるいは実験動物等につきまして、今回改正法で考えておりますような各種のかなり強い規制措置を加える対象に入れていくということについてはなお検討すべき点があるということで、すぐ直ちに対象にすることは考えておりません。

75-衆-農林水産委員会-24号 昭和50年06月03日

(参考人質疑)

○太田参考人 ただいま御紹介を賜りました太田でございます。

 ただいま当委員会において審議をされております飼料の品質改善に関する法律の一部を改正する法律案の前提として、畜産局が飼料品質改善制度研究会というものを一昨年の十一月に設けられたのでございますが、私はその際委員の一人に選ばれまして、委員の互選の結果座長の職を相務めまして、前後約六回にわたる審議をいたしまして、畜産局から検討を命ぜられました各項目につきましての研究会としての意見を一応取りまとめまして御報告を申し上げたわけでございますが、これらの報告書の内容につきまして御説明を申し上げ、それが現在審議をされておりますところの改正法律案の中にどういうふうに具体化されておるか、織り込まれておるかというようなことにつきまして、私の考えを述べさせていただきたいと思います。

 最初に研究会が設けられまして、私どもが農林省から現在の飼料の現況等につきましての現状認識を得るための説明を伺いまして、その際、現在の飼料の品質改善に関する法律が昭和二十九年に制定されたわけでございますが、その後三十一年に公定規格に伴いますところの改正をいたした程度で今日まで推移をしてきたのであります。しかしながら、近年、畜産物等を通じての有害物質による人体への影響の問題あるいは抗生物質を初めとした飼料添加物の家畜体内での残留性の問題等が取り上げられまして、これらの問題の防止に対する社会的要請が非常に高まってきておるのであります、従来これらの問題は、家畜家禽に対する栄養効果の確保という観点からの規制だけが法律で取り上げられておったわけでございますが、これらの品質問題と並びまして飼料の品質問題が重要な課題となってきて、そこで、これらの問題について検討をしてもらいたいという前提で研究会が始められたわけでございます。

 研究会が検討いたしました事項は全部で八項目ございまして、これを順次申し上げますと、飼料の範囲につきましての問題が第一点で、第二点が業者の届け出制度の問題でございます。第三点が飼料の登録制度と公定規格、第四番が表示の制度、第五番が飼料の添加物、第六番が異物、有害物質の規制、第七番が新飼料の取り扱い、第八番が検査制度ということになっておるのでございます。

 先ほど申し上げましたように、四十八年十一月五日に第一回の研究会が開かれて以来、六回にわたりまして審議を重ね、四月二十日に一応会議を終わったわけですが、その後起草小委員会を設けまして案を練りまして、最終的には五月二十日の研究会にかけまして、各委員の方の御了承をいただきまして農林省に提出した、かような経過でございます。

 そして、この研究会としては、これは特に農林省の配慮であったかと思いますが、どちらかといいますと直接業界の関係の方は除かれておりまして、主として学者先生を中心とした、いわゆる学識経験者の集まりによって研究会が持たれたということでございます。

 それでは、以下項目を追いまして、研究会の報告の内容並びにそれがいかに今回の改正法律の中に織り込まれたかという点につきましての私の考えを申し上げたいと思います。

 まず、第一は、規制の対象となる飼料の範囲でございますが、現在の法律では、「ふすま、油かす、魚粉等家畜家きんの栄養に供されるものとして農林大臣の指定するもの」というのが飼料だと定義づけられておったわけでございますけれども、飼料の事情が法制定当時と非常に変わりまして、いろいろと新しい行政上の要請が出てきており、特に、農林大臣の指定がないものがそのまま流通する場合には法の規制が全く及ばないというような難点があるということが現状の問題として提起されました。

 さらに、御承知のとおり、水産物におきましては、とる漁業からつくる漁業へということで、養魚用の飼料というものがかなり生産もふえておる。これらにつきまして現行法では法的規制が全く及んでいないというようなことはやはり問題があるのではないかというような問題点が指摘されたのでございます。

 なお、それ以外に、最近におきましては、愛玩用の動物とかあるいは実験用の動物用にもえさがつくられて供されているというような事実もあるので、これらについても品質保全の面あるいは公正取引の確保の面から法的規制を行わないことは問題があるのではないかというような点が指摘されたのでございます。

 そういった問題点を踏まえましての委員会の意見の集約といたしましては、飼料の定義といたしましては、いわゆる経済動物としての家畜家禽、豚、鶏、牛等はもちろんでございますが、養魚用のものあるいは愛玩動物、実験動物等を含めた広義の家畜に対する飼料が対象となり得るように改めて、必要なときには何どきでも具体的にその生産、流通等を規制し得る体制を整備することが望ましいというような報告に相なっておるのでございます。

 これにつきまして、今回の改正法律案におきましては、「家畜等」につきましては、「家畜、家きんその他の動物で政令で定めるものをいう。」というふうに第二条の一項で定義をなさいましたし、対象動物に養殖魚を含み得るようにするというようなことで、飼料の定義につきましても、一々農林大臣の指定をまたなくても、「家畜等の栄養に供することを目的として使用される物をいう。」ということで、私どもが要望いたしましたように、機動的に発動し得るようなことに以上の二項で相なっているようでございますので、私どもといたしましては、私どもの報告書の内容がおおむね実現を見たというふうに考えております。

 それから、第二に、業者の届け出制度でございますが、現行法では製造業者と輸入業者だけにつきまして一定の届け出義務が第三条によって課せられておるのでございますが、改正法の十八条によりまして、届け出の範囲について、対象業者あるいは報告する事項につきましても私どもの報告にございますような点がかなり取り入れられての改正が行われたと解釈をいたしております。

 現行の制度は、申し上げましたとおり製造業者と輸入業者に限っておるのでございまして、しかも、飼料につきましても特定の飼料に限られておったのでございますが、新しく飼料の添加物等をこの法律の規制の対象に加えるというような研究会の考えもございまして、えさだけではなしに添加物につきましても製造業者、輸入業者、販売業者につきまして報告義務を課すべきであるというようなことに相なったのでございます。もちろん、従来は、飼料添加物につきまして特に法的規制がございませんでしたからそういったことは行われなかったわけでございますけれども、今回新たにこれをこの法律の対象にして規制をするということにいたしまして、えさと同様添加物につきましても届け出義務を課するべきであるということにいたしたのでございます。

 それから、従来は販売業者につきましての届け出制度がなかったわけでございますけれども、飼料需給規模の拡大、飼料種類の多様化等、飼料をめぐる情勢が法律制定当時と大いに異なっておりますので、販売業者につきましてもやはり一定の届け出義務を課すべきであるというような意見が強かったのでございます。

 要するに、今回のこの研究会における報告書におきましては、「飼料添加物を法規制の対象に加えるとともに、その前提として実態に応じ必要な限度で飼料同様その製造、輸入又は販売業者に対し届出義務を課する必要があろう。」ということにいたしたのでございます。したがいまして、これを整理いたしますと、製造業者につきましては、現在、配混合飼料、一部の単体飼料につきましての届け出義務があるわけでございますけれども、新しく飼料添加物につきましての届け出義務を課することにし、輸入業者につきましても同様でございまして、配混合飼料と単体飼料につきまして届け出義務があったわけでございますが、新しく飼料添加物について届け出義務を課することとし、販売業者につきましては従来届け出義務がなかったわけでございますけれども、配合飼料、一部の単体飼料、それに飼料添加物につきましての届け出義務を課するべきではないか、と、こういう報告書の取りまとめをいたしたのでございますが、これを受けまして、今回の改正法におきましては、安全性の見地から、二条の二の規定によって基準、規格が設定された飼料または飼料添加物の製造、輸入、販売業者で一定の者につきましては届け出義務を課するという十八条の規定が設けられておりますので、おおむね私どもの研究会の報告の趣旨に沿って改正が行われるというふうに理解をいたしております。

 第三が、飼料の登録制度と公定規格の問題でございますが、現行法におきましては、公定規格に基づく登録制度がこの制度の根幹をなしておりまして、それが飼料の品質改善に大いに役立ったという評価をいたしたのでございますが、現在の登録制度は、御承知のとおり、他の農薬とか肥料と違いまして任意登録制度の仕組みになっております。これらの実態を踏まえまして現行の制度につきましていろいろ検討いたしたのでございますが、何と申しましても、この法律をつくりました以後の飼料業界を取り巻く事情が大きく変化をいたしまして、安全性に対する社会的要請の高まり等、飼料をめぐる諸情勢が著しく変化してきたわけで、そこで、飼料の品質の一層の適正化を図るため、制度全般との関連におきまして、現在の登録制度あるいは公定規格の制度について再検討すべき時期に来ているという認識で一致を見ましていろいろ議論をいたしたわけでございますが、先ほど申し上げましたような八点の検討項目のうち、すべての点につきましておおむね意見の一致を見ましたが、この点につきましては委員間で意見の統一が若干とれませんで、必ずしも統一意見にはなっておらないのでございますが、登録制度、公定規格制度の改正に当たっては、飼料の品質改善制度の全体のあり方との関連を踏まえて十分検討することが必要であるということで、こういった答申をいたしております。

 それは、「以下のいずれの制度を採るとしても、畜産物等を通じての人の健康を損なうことの防止いわゆる安全性の見地からの要件を加えることが必要である」ということで、今回の改正法の眼目がそこにあるわけでございますので、当然そういったことを前提に置きまして、一つは、公定規格の内容等について検討を加え、現行の任意登録制度を続けたらどうだという意見と、いま一つは、公定規格と登録を分離いたしまして、公定規格適合のものはその旨の表示を付することとする、いわゆる規格適合表示制度、つまり、今度の改正のたしか第四条でございましたかに採用されておるような制度の提案をいたしております。

 それから、一部の飼料、特に配合飼料については義務登録制を導入したらどうかとか、あるいは全部の飼料について義務登録制を導入したらどうかというような各種の意見が出たわけでございますけれども、報告書の取りまとめの段階では統一見解にはなりませんでしたが、農林省はこれらの報告書の中から、第三の、「公定規格と登録を分離し、公定規格適合のものはその旨の表示を附することとする」ということで、規格適合表示の制度を、改正法の四条だと思いましたがとられまして、私どもの意見の中からおおむね最大公約数的なものをお取り上げいただきまして改正案にしていただいたというふうに理解をいたしております。

 それから、第四の表示制度の問題でございますが、表示制度につきましては、現行法の十五条の二で「成分等の表示義務」があるのでございますが、しかし、これらにつきましても、「飼料の種類の多様化、飼料添加物の使用量の増大等、飼料をめぐる情勢の著しい変化からみて、飼料の品質の適正化と消費者保護の見地から表示制度のより一層の充実を図るとともに、特にその厳正な履行が確保されるよう行政庁はその監視に努める」という前提を設けまして、表示制度の問題の検討に当たったわけでございます。

 そこで、表示制度の問題におきましては、現在、この法律の実効を補うためにいろいろと農林省畜産局が行政指導によって実施されたものも含めまして、必要最小限度でこれを法律制度として確立すべきであるというような前提に立っての議論をいたしたのでございますが、特に問題になりましたのは、飼料の原料名の表示を義務づけるということは当然でありますが、配合割合についても表示を義務づけるべきであるかどうかというような点につきまして議論がございました。特に、一部の生産者の方から、配合割合についても強く表示を義務づけるべきではないかというような御意見がございました。しかし、いろいろ議論をいたしましたが、飼料製造の実態を見れば、原料の需給事情及び価格事情に応じて配分割合はかなり頻繁に変化するというようなことを考えますと、なお一部のものにつきましては配合割合を確認する検査技術上の困難性もあるというようなことを理由に、確かにそれができれば好ましいわけでございますけれども、成分量等の表示をいたしますれば相当の部分は目的が達成されるのではないかというようなことで、飼料添加物その他の特定原料についての配合割合の表示を義務づける等の二条の二の改正をいたしまして、さらに八条で「表示の基準」というような規定を設けられまして、これらによって対処されるということになされたようでございますので、私どもは、その運用によりまして十分目的が達成されるのではないかというふうにこの点については考えております。

 それから、第五の飼料添加物の問題でございますが、今回の研究会におきまして最も議論になりましたのは添加物の問題でございます。添加物につきましてはいろいろ問題があるということでずいぶん時間をかけて議論をいたしたのでございますが、従来は御承知のとおり法律上の規制がなくて、いわゆる行政指導ということでやってまいったのでございまして、飼料添加物公定書というようなものをつくりまして、これに基づきまして規格、使用基準を定め、これに適合するものを使用するとともに、配合飼料に使用した場合はその旨の表示を行うような行政指導を行っておったという現状にあったのでございますが、そういったことでは最も問題になっておりますところの添加物の規制としては不十分である、当然法律制度としてこれを取り込むべきであるということで、いろいろ外国の制度等も参考にいたしまして、結論といたしましては、わが国においても飼料添加物の規制を法律上の制度として整備すべきであるという考えを示したのでございます。

 そこで、そのおおむねの方向としては、規制の対象とすべき飼料添加物の範囲は、配合飼料メーカー段階において添加するもののみでなくて、単体飼料として農家で添加するものもあるわけでございますから、これらも規制の対象に含めるべきではないかということ。第二点としては、現在行政指導によって添加物の公定書がつくられておるわけでございますけれども、その内容を権威ある審査機関で再検討の上法制化し、飼料添加物ごとに製造基準とか成分規格とか使用基準等を定めて、その基準、規格に適合するものについてのみ製造、使用を認めるようにすべきであるというような報告書でございます。第三点としては、薬事法の適用を受けない飼料添加物であっても、その包装容器には有効成分名とか添加効果、使用方法等必要事項を表示させることが望ましい、薬事法による規制はまた薬事法によってやるべきであるというような報告。第四点としては、飼料添加物を使用する配合飼料工場におきましては一定の資格を有する技術者を配置し、添加施設の基準、関係帳簿の整備等一定の要件を確保する必要があるという報告をいたしておるのでございます。

 これらを受けまして、今回の改正法律におきましては、資料添加物の定義を新しく法律上の二条三項として設けられますと同時に、製造、使用、保存の方法、表示についての基準あるいは成分についての規格をお定めになる。これにつきましては農業資材審議会に諮って決められるというようなことに二条の二の二項で相なっておるようでございまして、農家段階におきましても、この規制がこの二条の二の二項によってかけられるということでございますので、当然私どもの報告の趣旨に沿った改正が行われたものと理解をいたしております。

 なお、改正法の二条の八で製造管理者の規定が設けられておりまして、私が先ほど申し上げた飼料添加物を使用する配合工場におきましては一定の資格を有する技術者を配置してもらいたいということを報告書として取りまとめておるのでございますが、それも実現されたものというふうに考えております。

 次が、異物と有害物質の規制の問題でございます。現行法では第十五条で「異物混入の禁止」という規定があるわけでございますが、有害物質の規制につきましては、これまた飼料添加物と同様従来行政指導によって処置をされてまいったのでございますが、行政指導だけではおのずから限界があるし、今回の法律の改正の趣旨に沿ってもできる限りこれを法制度化すべきであるということで、改正法二条の二あるいは二条の六の一号、二号、あるいは二条の七というような改正が行われたようでございます。これらにつきましての報告書の検討の経過は、異物につきましては、一応現行法上一般に異物混入が禁止されておるので、制度的には現行制度の踏襲でおおむね問題はないという理解の上に立っての報告に相なっております。

 それから、有害物質につきましては、基本的な考え方といたしましては、病原微生物によって汚染されている飼料の添加物あるいは有害物質を含む飼料ないし飼料の添加物につきましては、その生産、販売等の規制は行政指導にゆだねるべきではなくて、当然法的制度として整備すべきである。それから、この場合に、家畜、家禽等、さらには畜産物等を通じての人体に対する毒性、家畜、家禽等の体内への蓄積及び人体への移行等について客観性のある科学データが得られる場合には、許容基準の設定によって対処する方法を導入する。予測しがたい事故に対処するため、有害物質により汚染された飼料を一般的かつ包括的に規制し得る措置を講じ得る制度を導入することが必要である。これは、こういった制度が他の同種の法律の、たとえば食品衛生法の四条とか七条の規定がございますので、これらに準じた制度を導入すべきではないかということに相なっておりますが、先ほど申し上げましたように、改正法の二条の二、二条の六の一号、二号、二条の七等で私どもの報告書に盛られた趣旨の改正が行われたというふうに考えております。

 それから、第七番目に、新飼料の取り扱いでございますが、これにつきましても、従来は飼料規格等設定委員会という特別の委員会を行政内部に設けまして、その適否の検討とか飼料化のための試験基準の設定等のいわゆる行政的な措置のみによって対処してきたようでございますが、他の同種の制度におきましても新しいものの規制につきましてはいずれも何らかの法的規制がなされておるという実態があるわけでございますので、今回の委員会の検討の過程におきましても、新飼料につきましては当然規制措置を加えるべきである、それも法的裏づけを持った規制にすべきであるということで検討がなされたのでございます。

 一方におきまして、現在の飼料の事情から考えまして、わが国においては新飼料の開発ということが非常に強く望まれるわけでございますが、同時に、その安全性の確保ということが要請されるわけでございまして、特に、新飼料が出される段階におきまして、国のみでなく、大学等も含めて権威ある研究機関等第三者機関において十分オーソライズし、適正な裏づけを得た上でその利用に踏み切ることにすべきであるというようなことを言っておるのでございまして、特にその取り扱いは慎重を要する。

 そこで、新飼料についての規制の問題でございますが、特に安全性の問題を確保しなければならないということで、改正法の二条の六の三号あるいは二条の七等で規制の措置がとられることに相なっておりますので、これまたおおむね私どもの報告の趣旨を生かして改正が行われたというふうに考えております。

 それから、最後に、検査制度の問題でございますが、検査制度につきましては、現行法の二十一条から二十五条に国及び都道府県の検査のことが書かれておるのでございますが、従来の制度もかなり活用はされてまいっておりますが、今回規制の範囲が非常に広がった。しかも、これだけ規制を加えるということになりますれば、その実効を確保する上におきましても、この検査機関の充実ということは非常に焦眉の急を要する問題である、それがなければ法律改正の実効が確保されないというような見地から、国ないし都道府県を通ずる検査機関の施設面あるいは人員面における充実ということが強く言われたのでございます。

 なお、さらに一定の要件を備えたものでありますれば、民間機関も活用すべきであるというような意見も出まして、現在、アフラトキシンにつきましては、民間の検査機関による製品検査を実施しているというような実態もあるようでございますので、要件をきわめて厳重にした上で民間機関の活用も図るべきであるというような答申に相なっております。これらにつきましては、新しく第四章として、指定検定機関というような規定が第十条から十五条七ということで設けられておりますので、これも私どもの報告の趣旨に沿った改正がなされたというふうに理解をいたしております。

 なお、参考までに申し上げますが、先ほど申し上げましたように、関係業界代表の方は当初の研究会には排除をいたしておりましたので、余り実態とかけ離れたような報告書になってもどうかというようなこともございましたので、最終の取りまとめの段階におきまして、一応参考意見を聞こうということで関係業界の代表の方の意見をお聞きいたしました。それによりますれば、今回の法律の改正のねらいといたしておりますところの安全性の確保に重点を置いた改善の方向については全く賛成であるというような御意見をいただいております。

 なお、そのほか幾つかの御意見がございますが、おおむねわれわれの報告書の内容を是認した上での意見でございますので、これは省略をさせていただきます。

 大変時間が超過して恐縮でございましたが、以上申し上げたとおり、私どもはこれを五月二十日に報告をいたしました。なお、その後、農林省はこの報告書を受けまして、これを法文化するための検討に入られたようでございまして、たしか昨年の十一月でしたか、もう一度かつての研究会のメンバーの方にお集まりいただきまして、私どもの報告書に基づきましてこういった改正をいま検討いたしておりますという報告を畜産局からいただきまして、われわれ研究会の委員といたしましては、おおむね私どもの報告書の線に沿った改正が意図されておるということで、その旨を了承いたしまして、研究会を終えたというようなことでございます。

 どうも失礼いたしました。(拍手)

(以下略)

 
75-参-農林水産委員会-15号 昭和50年06月19日

○喜屋武眞榮君 (中略)

 次に、もう一つ気になりますのは愛玩動物ですね、愛玩動物。それから実験動物に対するこの飼料との関係はどうなりますか。

○政府委員(澤邊守君) 実験動物ないし愛玩動物について対象にすべきだという御意見も一部にあり、われわれも途中で十分検討いたしております。もちろん、これは政令で指定すればできるわけでございますので、本法改正法によってできないということじゃございませんが、先ほど申しましたように、さしあたりの指定の畜種は先ほど申し上げたようなことを予定しておりますが、これは今回安全性の見地が加わりまして、かなり強い権利制限をするわけでございます、飼料の製造業者なり使用者に対して。ということになりますと、愛玩動物あるいは実験動物について、そこまで国民の権利を強くしばるような規制措置を現段階にやるべきかどうかという点について、若干なお検討すべき点がございますので――改正案施行と同時にやる考えはいまのところ持っておりません。将来の問題としては検討すべき問題が残っておると思います。

○喜屋武眞榮君 これも一緒に、ひとつ十分配慮してもらうように要望しておきます。

(以下略)

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