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日本学術会議が生物医学分野の研究における実験再現性向上に関する国際共同声明に署名

日本学術会議が、日本のアカデミーを代表し、2016年9月27日に生物医学分野の研究における実験再現性向上に関する国際共同声明へ署名したと公表しています。

英語サイトはここですが、中国語と日本語だけ各国語版があるのも、何か意味がありそうで、恥ずかしいことですね。

しかもこんな短い文章をわざわざ抄訳にして、何を隠したいのかと思えば、動物実験に関する部分!!!

こんな根性で何か変わるのか、あまり期待できないような気もしますが、以下は学術会議による抄訳全文です。

IAP for Healthとは、「薬学あるいは医学分野を有する科学技術に関する各国学術機関からなる国際学術団体であり、現在78の機関が加盟している。IAP for Healthは、声明の発出等を通じて、世界の保健衛生の改善に向けた取組を行っている。声明の発出は、過半数の加盟機関の賛成を得て行う。」とのことです。


日本学術会議による抄訳全文

IAP for Health加盟アカデミーによる生物医学研究の再現性向上のための行動要請(抄訳)

生物医学研究コミュニティにおいては、科学の進歩、臨床応用への転換の加速、及び資金収益の最大化のため、研究の再現性向上の必要性に関する議論が盛んになっている。国及び世界全体における数多の保健衛生の改善は、生物医学研究上の知見に基づいており、研究の実施が可能な限り効果的であることが極めて重要である。

科学的な試みは、再現性があり信頼できる研究に依拠している。科学及び一般メディアの双方において明らかになっているところであるが、多数の生物医学研究の再現性欠如に関して懸念が拡がっている。
科学は国際的な試みである。このため、再現性の問題がどこか一つの国だけに限定されないのは明白であり、協力と共同を通じて、世界全体で取り組んでいく必要がある。それ故、IAP for Health加盟アカデミーは、国及び国際の両方のレベルで生物医学研究の実施を改善していくための努力を奨励し、促進する上で理想的な立場にある。
再現性に関しては、これまでのところ、限られたデータしか利用可能ではないが、2015年に公表された心理学分野の100の研究の中の結果の再現性プロジェクトによれば、再現された効果量の平均は元の研究の半分の大きさであり、また、元の研究の97%が結果の有意性を主張しているのに対し、再現研究は36%しか有意な結果を示さなかった。
IAP for Healthは、再現性 という重要な問題に関して注意を喚起するために、また、生物医学研究における再現性向上の方法を見出すために、いくつかのアカデミーによって行われてきたこれまでの取組を強く支持する。

IAP for Health加盟アカデミーは、以下の点を認め、本声明に署名する。

国レベルでは、IAP for Health加盟アカデミーは、再現性向上に向けた取組において各アカデミーが果たし得る最も効果的な役割を確立するため、以下のような点に関し、それぞれの指導力においてこの問題を検討しなければならない。

科学が全世界的な試みであることから、地域と世界全体のレベルでは、以下の共同と協力が必要である。

(これは日本学術会議による抄訳であり、詳細な内容は原文の声明文を御参照ください)

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