WC6フォローアップシンポジウムおよび記念レセプション
3Rsに基づく動物実験の規制と第三者認証
http://wwwsoc.nii.ac.jp/jsaae/080223_WC6_followup.html


気がついたらもうあと1週間ほどですね、国際動物実験代替法会議のフォロアップシンポです。



このシンポで気になっているのは、HS財団が始めるという動物実験の第三者認証について。いったいどのようなものが出てくるのか…。


第三者認証については、たとえば医療機関(病院)では、日本医療機能評価機構などによる「医療機能評価」のようなことが行われていますが、あれも結局、同業者同士というか、「ちょっとレベルの高いところの先生に見てもらう」的な発想でしかないんですよね。決して患者からみたよい病院の評価ではない。あくまで専門家から見て機能がどれだけ整ってるかを見ているに過ぎない。マニュアルが整ってるかとか、設備があるかとか。


で、動物実験の第三者認証といわれているやつも、まったく同じことを動物実験業界内でやろうとしているように見えてしまいます。法律に基づいた査察などとはまったく違って、業界内部の自主努力的にすぎない点も共通です。認証を取りたいところがお金を払って認証を取る。


業界内でレベルアップしていこうという努力ではあるから、ないよりあったほうがいいのかもしれないけれど、実験施設の場合で、病院の入院患者にあたる存在は、あくまで実験動物ですよね。


ほんとうに実験動物のサイドから考えた動物実験の評価ができる人間は、はたして業界内部の「専門家」と言われる人たちなのかどうか、私は疑問に思います。専門家であればあるほど、動物実験への「慣れ」度は高く、動物側に立った考えができるのか疑わしいとすら思います。そして経済的・人間関係的な利害関係がありすぎると思います。


「第三者」というのは、あくまで「自分の施設・会社以外の人」という意味に過ぎなくて、業界人同士で評価しあうに過ぎないのは間違いなさそうですし…。


そのうえ、HS財団がやるのは、厚生労働省管轄の施設だけが対象のようなので、ますます全国統一ではなく手前味噌度が高まっている気がします。


しかも、医療機能評価は病院の中まで部外者であるサーベイヤーが入って、ぐるぐるまわってその辺の職員にも声かけたりするから、施設側としてはちょっと襟を正すにはいいのかもしれないですが、動物実験の場合、はたして実験施設の中までくまなく見せるのか? 企業秘密がどうとか言ってる製薬会社が研究設備を部外者に見せるのか? 書類だけ見て、お話聞き取ってOK出すなんてことがあるんじゃないか?


いろいろけっこう疑っています。第三者認証ができれば動物実験が減ったりするもんではないのをよくわかった上で聞きに行ってほしいです。(むしろ、「きちんと評価された適正な動物実験施設です」とかなんとか言ってますますやり放題になったりして…くらいの疑いを持って聞きに行くべし!!)