本当は麻布大学でひらかれている獣医学会に行きたかったんですが、子犬のお世話中の身で行けるのは近場かなぁ~ということで、東大弥生講堂で開かれていた「ゾウロジー2008」というシンポジウムのほうを聞いてきました。
内容は、「ゾウ」という軸がひとつ通っているだけで、分野は多様。結構面白かったです。
ゾウの死体を学術研究に活かすという話も、ほんとうは死んでまで利用されてしまう動物園の動物たち…というところでちょっと抵抗があるのですが、でも、どこかで新たに実験動物を殺して使う学術研究よりは死体の活用のほうが支持できるので、そういう気持ちで聞いていました。
死体が解体されている写真は結構ぎょっとしましたけど…… 小さなお子さんも聞きに来ていたので、その点はちょっとびっくり。
うーん、動物がどのようにあつかわれているかという残酷な写真・映像などをネットにアップしていると、「そんな残酷なものを見せて。子供も見るのに」という批判が結構来るらしいのですが、ひとたび「サイエンス」のよそおいになると、大人はけっこう子供に残酷を強いますよね…… などということも考えさせられました。
でも、本当は一番ショックだったのは、王子動物園のゾウの出産シーンだったんです。明るくて狭い部屋の中、コンクリートの床のうえに足をチェーンでつながれて……人が近くをうろうろして。そして、出産したらすぐ子供を母ゾウから引き離してしまうんです。人間がよってたかって子ゾウをふいて……。
子供が一生懸命立とうとしているシーンは感動的でしたが、でも出産シーン自体は、涙がでそうなくらい悲惨な状況だったと思います。これが感動的ってどういうことだろう? 野生では考えられない形態の出産だし…。
野生のゾウ(か、現地での飼育ゾウだったかも)の出産シーンはどこかで映像で見たことがありますが、ほとんどまっくらだった記憶があります… なんだか……とても悲しかった。
王子動物園では、小ゾウは、結局母ゾウにはなつかず、母ゾウも子供を拒否して、2回目の人口哺乳となったそうです。最初の人工保育の子ゾウは、サッカーボールで足を滑らせて転倒、骨折で寝たきりになり、亡くなったそうです。
いま、ゾウが日本に入ってくる数がピーク時より減っているは朗報ですが、日本で増やそうとするのもどうなのでしょうか…。
にしても、一番楽しみにしていたスリランカの野生ゾウの保護の話、睡眠不足がたたって肝心のところで寝てしまいました…… がーん。ショック。。。でもこういうきめ細かい研究がなされて、ゾウと人間が対立なく暮らせる世界になればいいなと思います。
ゾウが足し算できるという話も、面白いことやってる人がいるんだなーと思いました。いやーあれも動物実験かもしれないですけどね(汗)