以前、資生堂と花王が開発に着手しているという報道のあった「h-CLAT」という動物実験代替法についてのシンポジウムが先日ありました。JaCVAM主催です。
サブタイトルは「日本で生まれた感作性試験代替法の概要とその応用」とのことで、発表者は、資生堂・花王のみならず、ポーラ、カネボウ、ライオン、コーセー、メナードと、かなりオールジャパンな感じでした。これは力が入っていそう?(期待)
さらに、質疑応答でも、製菓メーカーや農薬関係(たぶん?聞き間違えでなかれば)の人からも質問があったりして、幅広い分野から関心を持たれているのかな~と思いました。
いま、アレルギーが起きるかどうかを判断するための皮膚感作性試験の「代替法」には、LLNAという方法がありますが、これもマウスを使うことは使うので(マウスの耳に塗ってテストする)、ヒトの培養細胞を使うh-CLATには、やはり期待してしまいます。
この試験法の開発は2003年から始まったとのことで、7年目になる今年、2010年の7月からECVAM、JaCVAMにてバリデーションが始まるそうです。(でも、ほかにも2つの試験法が同時進行するらしい@@)
h-CLATについては、最初の発表で、「ヒトでの皮膚感作性データのある69化合物の結果で比較して、一致率は80%」とか聞いてしまったので、もうかなり良さげな印象を勝手に受けていますが^^;、でも、一言で「培養細胞を使って」などといっても、条件をそろえたり、向かない場合があったり、何だりかんだり、ほんとうに大変なんだな・・・と思いました。
いまはまだOECDのガイドラインへの申請の段階ではないわけですが、順調に行ってEUでの化粧品の動物実験全面禁止の2013年に間に合ったとして、開発開始からちょうど10年ですか。
動物たちのことを考えると「長い~っ」と口走ってしまいそうですが、やはりこの道のりの長さもわかっておかなければいけないのでしょうね;;。
しかし・・・シンポの最後に「!?」と気づきましたが、日本では今のところの代替法のLLNA法すら標準ではないわけで・・・日本での行政的受け入れのことまで考えると、少しばかり気が滅入りました。