きょうは環境省の小委員会傍聴でした。いよいよ動物取扱業の適正化の部分について、とりまとめ的な文書が出てきました。パブリックコメントも待っています。
ところで、きょうは座長の先生が、「猫は繁殖は難しいでしょう? 猫の繁殖をしているところというのはそんなにあるんですか?」とおっしゃって、あらーーーっ、やっぱり動物実験の世界の方なのね(ノД`)!!!と実感してしまいました。
動物愛護家のあいだでは、猫は、どんなに糞尿ヌタヌタの劣悪飼育環境でも、子猫がうじゃうじゃいたりするような、すごく子どもが生まれやすい動物と思われているので、動物実験の世界の「猫の繁殖は難しい」という常識を教えると、とても驚かれます。
栃木県で、全国2番目に登録取消になった業者も、やはり劣悪な環境でしたが、猫の繁殖業者でした。つまり、おそらくボロボロ死んでいたりはするのかもしれないけど、売れるくらいには子猫は生まれているはずなんです。
劣悪かどうかは別にして、キャッテリーはいっぱいあるし、ペットショップでも純血の猫はたくさん売っていますよね。もちろん、犬の頭数には及びませんが…
猫は、ペット用にはある程度繁殖できている。
でも、動物実験施設では、猫の繁殖は難しいといわれている。
例えば、実験の世界では、「あそこの大学は猫の繁殖ができている」というのが、ほめ言葉だったりする。
そして、実験用に猫を繁殖している業者も、難しい問題をクリアしたという自負がある様子。
これって、前からちょっと不思議です。
単純に想像すると、<実験施設の環境が繁殖に適していない=繁殖もしないほど最悪>ということに尽きるのではないかと思ってしまうんですけどね…。(あー、何か突っ込み来そう^^;)
なので、実験用ネコの通常の飼育ケージの基準の数値は、ペット繁殖用には使えないんじゃ?という結論は短絡的でしょうか。
問題はケージサイズじゃなくて、交配のタイミングとか、別のところにありような気もしつつ、この二つの世界の常識のギャップについては前からちょっと不思議です。
動物実験については、野良猫という供給源があったからノウハウの蓄積が不要だったという背景もあるかもしれませんが。
ただ、繁殖するかどうかは、飼育環境が動物福祉にかなっているかどうかの一つの指標です。先日の実験動物学会でも、その話は出ました。
研究者は、動物取扱業者なんかと自分たちを同列に扱うなという意識があると思いますが、果たして、同列レベルの飼い方はしているんでしょうか。
謎です。