湘南エチカの会のブログにもパブリックコメントについての記事が載りました。エチカの会は、私も最初の勉強会のときから少しお手伝いはしていますが、あくまで神奈川県・鎌倉、藤沢の方々のグループで、動物実験反対などを掲げる団体ではないです。地元に巨大な研究施設が建てられたことがきっかけで活動しています。
環境省がパブリックコメントを募集中 -自治体も把握できない動物実験関連施設-
http://blog.goo.ne.jp/shonanethics/e/75cdaad9f890549fd1e32ebac58c53d6
この記事の中に載っている、神奈川県の動物実験施設アンケートがなかなか興味深いので、私も紹介させていただきたいと思います。PDFにしましたので、ぜひご覧ください。
神奈川県「実験動物に係るアンケート」

クリックしてkanagawa.pdfにアクセス

★2011-11-17 いのくら交渉での神奈川県の回答です。
「いのくら(県民のいのちとくらしを守る共同行動委員会)」には、日ごろさまざまなテーマについて活している団体が集まり、毎年神奈川県と交渉を持っていらっしゃいます。そこに参加している団体の方が、行政による動物実験施設の監視を求めていらっしゃるので、これは、その交渉の中で神奈川県から出てきた回答の一部としていのくらに提出されたものだそうです。(公開OKとのことで、感謝いたします。)
神奈川県が動物実験施設にアンケートを行ったと聞いて、かなり期待をしていたのですが、ご覧になるとわかるとおり、問題は「環境省の飼養保管基準があることを知っているかどうか」であり、その遵守状況に踏み込むものではまったくありませんでした。
ちなみに、アンケートの対象地域は、5市(横浜・川崎・相模原・横須賀・藤沢)を除いた県域で、繁殖施設は含まれないとのことなので、対象数が少ないこと自体は納得できるのですが、実は……県は、実験施設がどこにどれだけあるのか見当もつかないため、何とインターネットで検索して、アンケート送付対象を決めたのだそうです。(それなら私でもできそうなのですが) 届出制などがないと、そういうことになるのか…と少し驚きました。
そもそも、平成18年の基準改正の告示に際しては、環境省から自治体に対しても、通知がされています。その他、加盟機関に周知してくれるだろうという期待のもとに各種動物実験関連団体にも通知がされましたが、製薬や石油化学関係、食品関係などに直接通知しているわけではなく、明らかに漏れる分野もあるのだから、そもそもは自治体が動物実験施設がどこかを把握して、基準の周知を行うべきだったと思います。
でも実際には、アンケートで「基準をどこから入手しましたか」と聞いているわけです。うーん。
ここが一番がっくりきた質問ですが、回答を見てみると「インターネット」が一番多いんです。(11機関)
環境省が周知したとする、動物実験関連団体から情報が通知されてきたと思われる機関は、その半分程度しかありません。(5機関)
講習会が何をさすのかはわかりませんが、それらの関連団体が行う講習会などだと仮定して、合計して12機関。
書籍とインターネットは、業界がいう自主管理の枠組みの中で情報を得ていない施設だと思われるので、合計すると13機関。
だいたい半々です。やはり、自主管理での周知は、半分くらいの施設にしかいきわたっていないのではないでしょうか。
そして、そもそも基準の存在を知っているだけでは意味がないので、このアンケートで「周知されている」と言われると困るというのもあります。やはり、行政の責任で実際に基準が守られているかどうかをチェックする必要があるのではないでしょうか。そのためには届出制など、何らかのの仕組みが必要です。
身近に動物実験施設ができて、そういう仕組みがないことに驚く人たちが実際にたくさんいます。
パブリックコメントでは、ぜひ実験動物についても意見を送ってください。
「動物愛護管理のあり方について(案)(「動物取扱業の適正化」を除く)」に対する意見の募集
http://www.env.go.jp/press/press.php?serial=14414