基本指針説明会資料

2006年6月1日告示の動物実験指針について、文部科学省は2006年秋頃日本各地で説明会を行っていました。(大学等研究機関対象。一般人は参加不可でした)

その際の資料のページ:
http://www.lifescience-mext.jp/policies/dobutsu.html

資料リンク:

研究開発等における動物実験等の実施に関する基本指針Q&A
http://www.lifescience-mext.jp/policies/pdf/an_material010.pdf

問1.野生動物を対象とした野外調査も対象となるのか。

答え・マイクロチップを埋め込むなどして行う実験は対象となる。

 
問2. 小規模な大学における学生実習においての留意点は。

答え・学生実習も対象となりますので、文部科学省の基本指針、環境 省の飼養保管基準に従って動物実験を行ってください。

 
問3. 輸血用の供血犬および猫は対象となるのか。

答え・実験に使用する場合は対象となります。

 
問4. 理科の実験に使う動物(カエルや魚)は対象となるのか。

答え・理科の実験も動物実験の対象となります 。対象動物は 、哺乳類、 鳥類、爬虫類ですので、カエルや魚はこの指針の対象外です。

 
問5. 爬虫類、両生類、魚類も対象になるのか。

答え・対象動物は、哺乳類、鳥類、爬虫類ですので、両生類、魚類は この指針の対象外です。

 
問6. 実験動物のアルコール保存材料は対象となるのか。

答え・生きている動物以外は対象外です。

 
問7. 大学が統合された場合 、単科大学時代の指針ではなく統合した 指針を作成するべきなのか。

答え・学長が最終的に責任を取れるようにそれぞれの大学の実情に合 わせた規則を作成してください。

 
問8.遺伝子組換え生物の使用と同じように、文部科学大臣に確認を求めるような実験があるのか。

答え・文部科学大臣に確認を求める実験はありません。

 
問9. 施設・設備の整備は研究機関長の責務と考えてよいか。

答え・実験動物の飼養及び保管並びに苦痛の軽減に関する基準を遵守すること、また、適切な動物実験を行うことができるように施設・設備の整備等なども機関として考えていただきたい。

 
問10. 動物実験を行う者が少なく小規模であるため、動物実験委員会 の設置が困難であることから 、他大学又は研究機関の動物実験委員会に動物実験計画の審査をお願いすることが出来るのか。

答え・他の機関の動物実験委員会のメンバーを当該機関の委員に委嘱する等、機関の長が機関内で行われる動物実験が規則に基づい て適切に行われているのかについて責任がとれるようにして頂 ければ結構です。

 
問11. 機関内で動物実験指針があるが機関内規定として策定しなおすべきか。

答え・機関内で策定されている動物実験指針が努力目標のようなもの ではなく 、遵守しなければならない 規則として扱われているも のであれば、名前は変えなくても良いです。

 
問12. 小規模施設において守らなければならない基準等について。

答え・動物の愛護及び管理に関する基準、実験動物の飼養及び保管並びに苦痛の軽減に関する基準、 動物の処分方法に関する指針、 研究機関等における動物実験等の実施に関する基本指針を守っ てください。

 
問13. 規則の内容について 、日本学術会議や国動協の作成した機関内 規定のモデルを素案にしてもよろしいでしょうか。

答え・機関内で適切な動物実験が出来るように運用していただくよう にお願いいたします。
 
問14. たくさんのキャンパスがある場合に それぞれの事情が違うので、学部単位で内規を作成しても良いか。

答え・機関として統一の規則よりも、キャンパス毎に規則を作成する方が運用しやすいようであれば、内規を作成していただいても良いと思います。機関の長は最終責任者として、機関内の動物 実験が適切に行われていることを把握することがもとめられますので、留意してください。

 
問15. 大学独自に策定しなければならない ガイドライン等の項目を教えてください。

答え・動物の愛護及び管理に関する基準、実験動物の飼養及び保管並 びに苦痛の軽減に関する基準、動物の処分方法に関する指針、 研究機関等における動物実験等の実施に関する基本指針に基づ いて、各機関内で動物実験が適切に行われるように規則を策定 してください。その際に参考にしていただくために、日本学術 会議が作成しました動物実験の適正な実施に向けたガイドライ ンや国立大学法人動物実験施設協議会が作成しました機関内規 定がございますので、ご案内いたします。

 
問16. 動物実験委員会の構成について 、学長が選出しているが 、学長 も動物実験委員会の委員あるいは委員長になるべきか。

答え・動物実験委員会は機関の長に諮問された要件について議論し、 機関長に答申するものですので、機関の長が動物実験委員会の 委員になることはできません。

 
問17. 動物実験委員会の委員会の構成メン バーと構成人数は何人以上必要ですか。

答え・動物実験委員会の委員は、動物実験等に関して優れた識見を有する者、実験動物に関して優れた識見を有する者、その他の識 見を有する者から構成してください。人数につきましては、規定しておりません。機関で行われる動物実験の件数によって異なると思います。研究責任者から提出された動物実験計画書について、適切な動物実験が行われることが判断できるように機関の中で委員の構成と人数について判断してください。

 
問18. 持ち回り審査は可能か

答え・動物実験委員会の規定の中に持ちまわり審査について規定しているようであれば、持ち回り審査をすることも出来ます。機関 内で適切な動物実験を行っていただけるような審査をお願いい たします。

 
問19. 委員会の設置が困難なため他の大学の動物実験委員会において審査をしてもらってもよいか。

答え・機関の長が機関内で行われる動物実験が規則に基づいて適切に 行われているのかについて、他の機関の動物実験委員会に審査 を依頼しても責任がとれるようであれば、他の機関の動物実験 委員会に審査を依頼してもかまいません。

 
問20. 科学的合理性が確保できない実験について委員会で承認しないことは適切か。

答え・基本指針の中では、科学的合理性を確保して上で動物実験を行 うように規定しております。従いまして、明らかに科学的合理性が確保できないような動物実験については 、承認されないものと思われます。

 
問21. 手術をして苦痛を伴う実験は、却下してよいか。

答え・動物の愛護及び管理に関する基準の第41条第2項において、「動物を科学上の利用に供する場合には、その利用に必要な限度において、できる限りその動物に苦痛を与えない方法によってしなければならない。」と規定されております。従いまして、 科学的合理性を説明できないような苦痛を伴う実験と判断される場合には却下が適切であると考えられます。

 
問22. 「飼養」と「保管」の区別は何か。

答え・飼養と保管については明確な区分はありません。

 
問23. 実験動物の飼育設備に基準があるのか。

答え・環境省から告示されております「 実験動物の飼養及び保管並び に苦痛の軽減に関する基準」の中に定められております。

 
問24. 教育訓練は、毎年開催するべきでしょうか。

答え・教育訓練の開催頻度につきましては、実験責任者や実験者への 関連法令等の周知徹底や機関内で適切な動物実験を行うために 必要と思われる事項について、各機関において出来るだけ定期 的に行っていただきたいと思っております。

 
問25. 教育訓練の内容はどのようなものであるか。

答え・教育訓練の内容につきましては 、関係法令等に関する知識の習得 、適正な動物実験等の実施 、事後措置を含む適切な実験動物 の飼養・保管を行うために必要な基礎知識等です。

 
問26. 機関内内規などを公表しないシステムをとることは可能か

答え・各機関における動物実験等が適切に行われている事など機関内 における取り組みについて透明性を確保する必要があります。 そのため、出来るだけ機関内の規則などは公表していただくよ うお願い申し上げます。

 
問27. 公開項目について各機関が公開項目 を判断することが出来るか。

答え・情報公開の項目については、機関長の判断にお任せしますが、 基本的な考えとして、動物実験等の必要性について社会の理解を得、また透明性を確保しつつ動物実験等を行うために適切に情報を公開していただくことを望んでいます。

 
問28. 実験終了後には 、実験結果 の履行報告を行うが 、実験計画として複数年が必要な場合については 、履行報告は年度ごとに行うべきか。

答え・実験終了までの期間が複数年にわたる場合の動物実験については 、動物実験の科学的合理性等について実験履行中に検討が必 要か否かもふまえて、動物実験計画を承認する際に履行結果の報告の時期についても機関内の 動物実験委員会で検討を行ってください。

 
問29. 自己点検・評価の頻度および内容について

答え・機関内で行われる。または、行われていた動物実験が、研究機関等における動物実験等の実施に関する基本指針に適合して、 適切に行われたかについて、年に1回程度行っていただきたい と考えております。

 
問30.当該研究機関以外の者による検証は、どのような方法をとれば よいか、また、どのくらいの頻度で行うのが適当であるか。

答え・研究機関の長は、自己点検の評価などについて透明性を確保するためにも当該機関以外の者も含めた委員会において、機関内 の動物実験等に関する自己点検ならびに評価について検証を行 ってください。その頻度については、年に1回の割合で行う必 要はありませんが、定期的に行っていただきたいと考えております。

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