牛乳は、色は白いけれど、実は「黒い」。本書の言葉を借りれば、「本来の姿を奪われた牛の怨念ででき」ているからだ。

高泌乳・高脂肪という目標は完全に間違っていた。もちろん、本当に消費者が望んだことかと言えば、それも作られた欲望だったと思うけど。牛も消費者も地球も健康になれない酪農はどう考えてもおかしい――そんな現代の工業畜産が、どこまで「黒い」かがよくわかる本。そして、その黒い沼にはまって抜け出せないでいるのは、実は生産者自身なんじゃないかとやはり思う。

著者は自然放牧の牧場を営む方なので、結局のところは牛を利用はしている話にはなるのだけど、でも「牛って本来こうなんだね」というところも読み応えあり。オススメ。

酪農は、本当は「楽農」―って言えるのは、何というか、起業精神みたいなものがあって初めてできることなのではないかとも思いました。

JUGEMテーマ:グルメ