スポーツは「良い子」を育てるか (生活人新書)
永井 洋一
NHK出版
自己達成型の運動(ジョギングとかね)はまたちょっと違うと思うけど、勝ち負けを競うスポーツ(特にチームを作って対戦するタイプ)に基本的に大きな弊害があるのは火を見るより明らかだと思っていたので、とても納得しながら読みました。競技結果重視型になるあまりの弊害と、どういうスポーツ環境を子どもに与えるべきかについて書かれた本です。
学生時代に「平和と女性」についての原著講読の授業があって、そのとき読んだ本に、対戦型のスポーツを戦争の原型と考え、「平和ルール」のスポーツの普及をしている人たちの話が書かれていたのがとても印象的だったので、ちょっとこの本を手にとってみたのでした。(そういったこととはちょっと違った本でしたけれども。)
私は何回か転校したので、平均より見てきた学校の数は多いと思いますが、クラスでいじめを行う生徒は、どこの学校でもたいていスポーツに秀でた生徒だったという印象があります。この現実と、日本人が持っているスポーツの精神性に対する良いイメージとのギャップについて、理由を理解するにはとてもいい本だと思いました。(子育てをする上でも。) 
関係ないけど、日本であまりこのことが意識されていないような気がするのは、日本語では「スポーツマンで優位に立っていて他者に対して差別的な生徒」を指す言葉がないように思うけど、英語ではJockという呼び方があるということですね…。(「オタク」という言葉は世界進出を果たしているみたいなのに、おかしいなぁ?)
と話がそれそうですけど、それで、なんでこのブログに書こうと思ったかというと、ドーピングの世界もスゴそうやね~!?と思ったからなんですけどね。
遺伝子組換えウイルスを感染させて、赤血球を作るホルモンを体内で増産させるとか、ナニソレ!?って感じです…。ま、さ、か、そんなことのためにも動物が!? ドーピング判定を厳しくしたら、結果が20年前の記録にまで落ち込んだ大会もあったそうで…テレビで見せられているスポーツは虚像かもしれません…。
あとね、ときどきサーカスの熊が比喩で出てくるんですよ、この本。「彼らは、観客の拍手で充実感を得ることはありません」とかね。
そう! それこそサーカスの芸が虐待にすぎないことの本質だわっ。。 などと激しく反応するのでした。