哲学の冒険―「マトリックス」でデカルトが解る

哲学の冒険―「マトリックス」でデカルトが解る

  • 作者: マーク ローランズ
  • 出版社/メーカー: 集英社インターナショナル
  • 発売日: 2004/12
  • メディア: 単行本

人類より能力の高い宇宙人が地球にやってきて、われわれを捕まえ、どんどん実験に使い始めたら? もし人類が動物を実験に使ってよいというのなら、宇宙人が人間を使うことも潔しとしなければならないはずだという論考がときどきアニマルライツの本に書かれていたりしますが・・・この『哲学の冒険』は、いろんなハリウッド映画のぶっとび設定から考えると哲学がわかりやすくなることを示した本なので、まさにそれに近い話が出てきます。
もともと私も、「映画『エイリアン』に出てくるエイリアンも殺してはいけないのか?」なーんて、ときどき考えることがあったので、この著者のエイリアンに対する考え方は「なるほどー!(笑)」と思いました。
論考のポイントは、人類が動物たちに対して行っていることを比較対象として考えてみる、という点ですね。
例に挙げられているのは、バタリーケージで育てられる鶏など、家畜たちです。
でも実験動物で考えても同じ結論だと思います。
面白い本でした。