去年の12月に書きかけてアップしていなかったのですが・・・超・長い名前のシンポジウムに行ってきました。
総合的リスク評価による化学物質の安全管理・活用のための研究開発連携群シンポジウム 
~化学物質管理における「安全」と 「安心」 平成21年度対象施策成果報告会~

http://www.renkei.jst.go.jp/sympo/chemical03/index.html
動物実験の代替法に関係しそうなのは、
「化学物質の有害性評価手法の迅速化、高度化に関する研究-網羅的定量的大規模トキシコゲノミクスデータベースの維持・拡充と毒性予測評価システムの実用化の為のインフォマティクス技術開発-」

とか
「化学物質の安全性評価におけるカテゴリーアプローチおよびinsilico評価支援システムの開発」
とかのあたり?
実際には研究内容には動物実験も含まれていたのですが;;・・・ただ、動物実験の限界として、
・そもそもエサをたくさん食べさせるだけで発ガン率はあがる。エサを制限しないとダメ。
(それって正しく現代人のモデルなのかしらん~^^;?)
・ネズミが食べられる最大量は決まってる。最大限食べさせたとしても、試験したい物質の配合量には限界あり。
・エサを変えたら、動物実験はもうアウト。

なんていう話もありました。
だから、ただ漫然と化学物質を動物に食べさせたらこうなったという原始的な観察ではなく、もっと遺伝子レベル、それもどこかの遺伝子だけとかじゃなくって「遺伝子ネットワーク」が化学物質に対してどう動くかをコンピューター予測しようというのが、「化学物質の有害性評価手法の迅速化、高度化に関する研究~」の方です。
「カテゴリーアプローチ~」の方も、化学物質の構造と作用についての情報をデータベース化して、予測に役立てようという話で、NEDO(経済産業省系)から資金を得て、農水省系の食品農医薬品安全性評価センターが中心になってやっているそうです。(へー)
発表の中で、「経験値を何とか機械化できないか」という話があり、そういえば、安全性試験を仕事にしていると、もう試験する化学物質の構造式を見ればだいたいこんな感じだろうという勘みたいなものが働くという話を聞いたことがあるのを思い出しました。
で、「勘ピューター」の予測が意外と当たってたりするらしいんですが、それを実際のコンピューターでさせようと思うと確かに大変ということですよね・・・。
素人的には、今までこういう情報の蓄積がないのが不思議?とすら思ってしまうのですが、やはりREACHのような規制が現れないと、そういうことをするインセンティブが働かなかったということなのでしょうか・・・。