『国立感染研は安全か』
長年に渡った、感染研裁判の記録の集大成ともいえる書籍です。パラパラっとめくると読むのが大変そうですが、思ったより読みやすく書かれていました。(巻末の判決文などの資料をのぞけばですが~) 原告側の方々の長年の苦労がしのばれる本です。
それにしても、ペスト菌などを扱う感染症専門の研究所が、住宅地と大学のあいだの狭い敷地に建っているというのも変な話で、もっと国民的関心が高くてもよかったのでは?と改めて思ってしまいました。(そう言う自分も裁判は一度しか傍聴できませんでしたが…)
改めて読んでいると、ここは先進国なのだろうか?みたいな話も出てきます。
旧予研での住民見学会のとき、汚れを測ることができる機械とやらで、部屋の外では汚れ「ゼロ」を示されたそうなのですが、細菌の数を数えることのできる機器などないので、何か違うものを使って口先三寸で住民を騙そうとしたのだろう、という話などが出ていました。(ナニソレ?)
あとは、外国人専門家の報告書のサイン偽造事件もありましたよね…。(ホント、信じられナイ)
この裁判も、もし今だったらどうだったのだろうか、とも思いました。国に勝つということは大変なことですが、それでも、政権交代後にいくつかの裁判で国民寄りの判決が出ていることを思うと、「もしかして」と思ってしまわくもないのでした。それに、現に、新しい研究所のために、ン十億もの税金が出ているわけですからね…。
国が、なぜこの場所にこだわったのかも、不思議といえば不思議です。ほんとにこの研究所、隣の建物と接するくらいの感じで立ってますもんねぇ。(しかも隣、障害者センターですよ、どゆこと?)単に一度決めたことは覆したくないという権威主義なのか、予算の問題だったのか、旧陸軍研究所跡地というのが魅力(?)だったりするのか?(まさか?)
いまだにバイオ施設に対する立地規制がないというのも、おかしな話だと改めて思いました。