研究所の被災についてはあまり報道がないようですが、「Nature」最新号コラムには、日本の状況は、「サイエンスにとってもカタストロフ」とありました。
The long road back
http://www.nature.com/nature/journal/v471/n7339/full/471409a.html
この記事によると、
東北大学は少なくとも来月末まで封鎖。多くの建物に入ることができず、中は壊れた機器類やサンプルで埋め尽くされている。被害は、日本の研究者の40%が籍を置くつくば学園都市にも広がっている。首都圏でさえ、物理的な被害を逃れた多くの研究施設で、停電と外国人研究者の国外脱出のために研究が停止してしまっている。
とのこと。外国人研究者は、放射線被害を懸念しての国外脱出だと書いてあります……。(いえ、別に構わないし、当然だと思うのですが~、意味深な「……」をつけてしまいました^^;。科学的判断によるものなのかどうか?とか、ちょっと気になるところですよね??)
記事の続きは、海外からの支援の話、そして、科学にスクラップ・アンド・ビルドの機会が来たのかもしれないといった話題に続いています。
ハード面では、それは、古いインフラを捨てて環境を一新することでもありますが、もう一つは、科学が何を目指すのかを考え直すときでもあるということではないかと感じました。
古い原子炉を捨てることで、新しい選択への議論が起こるだろう― ともあります。(たとえば地熱エネルギー)
日本のことだから、ちょっと不安はありますが、本当にそうなるといいな、と思います。ここらでひとつ、体質も変えましょうってことですよね。(とまでは書いていないかもしれないですが、、、)
科学者が想定してきたことが次から次へと乗り越えられてしまって、情報も錯綜、混乱しているこの状況ですから、単に「金出せ」では国民の理解は得られないだろうな、と感じます。
ところで、Natureの記事といえば、地震の前にアニマルライツ特集(?)を紹介しようと思っていたのですが、なかなか時間がなく。(さすがにこれは、メジャーどころの団体が翻訳するかなーと思ったのもあるけど^^;)
とりあえずリンクのみいたします。
Animal rights and wrongs
http://www.nature.com/nature/journal/v470/n7335/full/470435a.html
日本語ヘッドライン:
http://www.nature.com/nature/journal/v470/n7335/index.html
動物を実験に用いる研究者が、過激な動物権利擁護活動に対抗するには、情報の公開、一般市民とのつながり、そして、そのための研修が必要だ。
Animal research: Battle scars
http://www.nature.com/news/2011/110223/full/470452a.html
Animal Research: The radical
http://www.nature.com/news/2011/110223/full/470454a.html