減らすには、まず記録をつける?
皆さん、今年の電気代、例年に比べてどうですか? 私は去年までだって、「でんこちゃん」よろしく節電していたつもりだったので、今年節電したからといってそんなに差はないだろうと思いきや、けっこうガタ減りしています。やはり去年までの節電は本気ではなかったのか?と思ったり。
まあその理由はよくわかりませんが、化学物質管理の制度であるPRTRができてからのこのグラフを見て、なぜかそのことを思い出しました。
PRTR制度ができて、各事業者は決められた化学物質について、その排出量・移動量を行政機関に届け出なければいけないことになったのですが、総量の推移を見ると、これ、確実に減少しています。
(経済活動が縮小したからではないことを示すために、国内総生産も記入されているのだと思います)
もちろん事業者は、届出をしただけではなく、他にも化学物質排出削減の努力をしているのだと思いますが、「お金を節約するには、まず家計簿をつける」とか、岡田斗司夫の「レコーディング・ダイエット」とかを、思わず連想してしまうグラフです。
数量で記録するって、けっこう意識改革になって効果あるんですよね~。不思議ですけど。
実際、PRTRの説明にはこうあります。
行政、事業者、市民・NGOの各主体がそれぞれの立場から、また協力して環境リスクを持つ化学物質の排出削減に取り組んでいくためには、その出発点として、どのような物質が、どこから出てどこへ行っているのか、それはどのくらいの量なのか、といった基本的な情報をすべての関係者で共有することが必要です。また、それぞれの活動・対策の効果を確かめるためには、化学物質の排出等の状況を定期的に追跡・評価する必要があります。これらを可能にする新しい化学物質管理の手法、それが「PRTR(Pollutant Release and Transfer Register:化学物質排出移動量届出制度)」です。(PRTRインフォメーション広場より)
これ、動物実験にも同じことが言えるのでは?と思うので、ちょっとご紹介しました。EUでは、実験動物の使用数について、各国に報告の義務がありますが、やはりそれは3Rsに関する政策の基本となるデータだから、義務となっているのだと思います。
ちなみに上のグラフは、本日のケミネットさんの国会内学習会「化学物質政策基本法についての各省庁との意見交換」でいただいた、経済産業省化学物質管理課作成の資料です。
化学物質政策基本法については、省庁の中では経済産業省(のみ?)が反対しているそうですが、一方で動物実験削減を今後の政策課題としてあげているのも経済産業省のみだったり^^;。
微妙な気持ちになりつつ、この動物実験の削減を含めた3Rに関する政策は、動物愛護法が改正されてから、「それは環境省ですよ」という実質「うちは何もしません」的たらいまわしが行われている隙間落ちの課題なので、基本法で省庁横断的な対応をしてほしいという願いも込め、「動物実験の代替や削減のイニシアティブをとる省庁はどこなのでしょうか?」の質問をさせていただきました。(やはり環境省は動物の扱いの部分のみという答えだが…)
実は、現在の民主党PT案も、動愛法と同じ内容の繰り返しのみで、そこまでは全然踏み込まれていないんですけどね。もしREACH的なものをめざすなら、データ収集や国際協調による重複実験回避、代替法の開発・推進などについても書き込んでほしいのですが……。
ただ、経産部門からの横槍で、法案の行く末自体が心配な状況のようです。化学物質問題って、個人的に農薬や添加物を避けている人はたくさんいると思うのですが、政策という場面になると関心持つ人が少ない気がします。
とか言う私も、農薬散布とかで気分が悪くなったり、製品でノドをいためて体調を崩したときなんかは、ちゃんと保健所なりどこなりに報告をしておいた方がよかったのだと、今日初めて知りました。普通は「しまった」と、症状が過ぎ去るのを待って、ほったらかしですよね…。(ノドは、私はパーマ液でやられます。若い頃2回パーマかけて2回とも経験したから一切パーマかけないのだ。今は自然派美容院に行っているから吸うこともないけど)
「嗅いだら気分悪くなる」って、十分ハザードだと思うのですが、たったそれだけのことも科学的根拠がうんたらかんたらの壁があるのだから、ほんとに世の中の仕組みは産業界に都合よくできてると思います。医薬品と違って、救済制度もないですしね。