今年の代替法学会はとても面白かったです(ただし一部を除く)
今年は3日間参加できました、代替法学会。参加された皆様、お疲れ様でした。(主催された方々が見てるかどうかはわかりませんが^^;、ありがとうございました)
詳細はまたぼちぼち小出しにできればと思いますが、今大会は、積年のもやもやがすっきりするような科学的&医薬系なお話が多く、とても希望の持てる内容で有意義に感じました。
と書くと、「今までは科学的と思ってなかったのか、お前!?」という話になりますが、今大会では、大会長の杉山雄一先生が、のっけから質疑応答で、こうおっしゃったのですね。
「細胞培養系の代替法は、結局、相関でしかないわけでしょう? そうではなくって、(数理モデルなどを使えば)メカニズムで予測できるんですよ!」
もう、何というか、愛護系市民団体が言うことは何もございません~!って感じでした。これって、まさに動物実験は不要だと言っている人たちと同じことを言っていると思います。
今まで、代替法学会に行っても、「動物実験の結果とどれだけ同じか(相関性が高いか)」の話ばっかりで、「それってヒトでの予測なっているわけじゃないよね?」とどうしても感じざるを得なかったし、ときどきそういうことを指摘する先生方がいたりしたのですが、これでやっと、はっきり「メカニズムによる予測」、つまり、「ヒトの体内で、どう作用するのか、その作用機序にもとづいて予測すること」が重要なのだと明確にされたような気がしました。
(今までだって、同じことを言っていた人はいたんだろうとは思うのですが。でも数理モデルの話は今まであまり出てこなかったような~)
ずーっと言っていることですが、動物実験の代替法は別に必要ではないんですよね。
人体実験の代替法が必要なんですよね。
そのことを一言でずばり!と言ってくれた気持ちがして、すっきりしました。
(動物実験自体が、人体実験の代替法に過ぎないです。それも精度の悪い代替法。だからこそ医薬系の人たちこそ「代替法」が必要だと思ってる。動物愛護とは関係なく。そのことも鮮明になったような気が。)
大会テーマの、「動物実験代替法のサイエンス 〜機構に基づいた予測〜」は、すご~く大事なことを言っていたんだな~!と、大会が始まってから気がつきました。ちょっと難しいような気がしていたのですが、意味に気がつくのが遅かったです(反省)。
ということで、またまたボイコットして参加しなかった子供むけチャレンジコンテストですが、なぜ私が「チャレンジコンテストは間違ったことを子どもに教えている!聞いていられない!!」と感じてしまうかというと、このことが関係しているんだな、ということもやっと自分の中ではっきりしたような気がします。
チャレンジコンテストは、生物の先生が主導していることからも、「動物実験と同じことをすれば、それがヒトの予測と同じことになる」という間違ったことを児童・生徒に教えているわけです。例えば、ヒトデに化学物質を与えて体を自切したからって、それって、ヒトでのメカニズムには関係ないし、相関ですらないですよね。(生物の実験としては成り立つけど、ヒトの予測とは違うという意味)
高校までの理科教育で、どう「メカニズムに基づいた予測」に考え方が近い発表ができるのか?と考えると私の古くなった頭ではアイデアがすぐ出てくるわけではないですが、生物の先生を絡ませると話がおかしくなるので(どうしても生体を使いたくなる)、 むしろ化学の先生にお願いしたほうがいいような気がします。
もしくは、人体(自分の体)かヒトのパーツを用いて何かするとかでしょうか。動物実験がなぜ行われているのか、なぜ科学的にも批判されているのかの根本的なところに回帰してほしいです。小手先のことではなく。
そのことはずっと前から感じていましたが、今大会で理由がやっとわかった気がしました。(ああスッキリ)
関係ないですが、個人的には、こういう学会などを聞きに行っていて、理科教育で一番役に立っているのは間違いなく化学だと実感しています。(自分から学ぼうとは思わなかった分野なので、無理やり教えられることがなければ頭に入らなかっただろうという意味でも^^;)
感想が先に立ってしまいましたが、ほか、追って詳細ご報告していければと思います。