前にちらっとツイートもしたかと思うのですが、去年アメリカでレプトスピラ症ワクチンの力価試験代替法についてのワークショップが開かれたんだそうです。
International Workshop on Alternative Methods for Leptospira Vaccine Potency Testing: State of the Science and the Way Forward
http://iccvam.niehs.nih.gov/meetings/LeptoVaccWksp-2012/LeptoVaccWksp.htm
アメリカの場合、レプトスピラのワクチンは、犬・牛・豚に対して行われていて、このワクチンの力価試験に使われる動物は、この分野の動物の利用の3分の1にもなるというので驚きました。
アメリカでは、この試験にゴールデンハムスターを使っているそうで、スライドに、元気なハムスターと病気になったハムスターの写真がありました…。(涙)
Opportunities and Strategies to Further Refine Animal Use for Leptospira Vaccine Potency Testing
ハムちゃんずのためにワークショップを開いたりするアメリカにはちょっぴり感動したりもするのですが……
この試験は動物の死を持ってエンドポイントとしていて、苦痛度の一番高いカテゴリーEの実験になるようで、やはりこれが問題なんだろうなと思います。1試験には、40匹のハムスターが使われます。
日本の場合はどうなのかと思ったのですが、犬のレプトスピラ症ワクチン(単体もしくは混合)の検定基準を見ると、動物実験は異常毒性否定試験法なので、モルモットとマウスを使っていると思います。(人のワクチンのための異常毒性否定試験法からはマウスが削除されていますが、動物のほうは残っているみたいです。Why?)
レプトスピラ病力価試験は、製品がクリアしていないといけない製剤基準には入っていて(検定基準とは別)、モルモット又はハムスターとあります。また、安全試験として6カ月未満の犬5匹の利用が定められています。
動物用生物学的製剤基準名等・手数料・抜取数・標準処理期間の一覧
http://www.maff.go.jp/nval/kijyun/index.html
蛇足かとは思うのですが……ワクチンの検定試験というのは製造ロットごとになされるものなので、生産・消費が行われる限り、発生します。公的な検定を通ったものしか流通させられない仕組みなので、その前にメーカーでも自家検定をしていると思います。
あまり詳しくはないのですが、動物用ワクチンのためにも常に動物が犠牲になっていることを知ってほしいと思い、あえてこの話題に触れてみました。ユーザーが声を上げれば代替も進むかもしれませんし。