中国南方航空に対する電話アクションデーというのが9日だったそうで、呼びかけを見ていたら、サル15匹の死亡についての記事がありました。サルを送った実験動物業者が起訴され、中国南方航空が罰金を食らったのだそうです。
PHONE ACTION: TELL CHINA SOUTHERN AIRLINES TO STOP SHIPPING PRIMATES
ことが起きたのは2008年のことで、当時の記事によると、その業者は世界中でサルを買い付けており、このときはマーモセット14匹、シロガオオマキザル5匹、リスザル6匹をガイアナからマイアミ、ロス、中国経由でバンコクへ送ろうとした。しかし、書類に問題があり、中国からロスに送り返されてきた。それをロスの税関が開けたところ、15匹が死亡。10匹生き残っていたが、共食いもあった。1匹は、安楽死され、残りの9匹はサンディエゴ動物園のワイルドアニマルパークに送られた……というのがおおまかな流れです。サルは5日間閉じ込められていたみたいですね…。
荷送り主は、世話をしなかった中国南方航空がわるい、自分のせいじゃないと主張していたようですが、訴追されました。有罪になれば6か月の懲役と2万ドルの罰金だったようですが、こちらは無罪判決となり、逆に業者の証言から中国南方航空が約1万5千ドルの罰金を食らいました。それが昨年9月だそうです。
SEANのプレスリリース:
USDA Fines China Southern Airlines $14,438for Breaking Federal Law in Horrific Deaths of 17Primates Shipped for Research Via Los Angeles Airport
(このリリースでは、安楽死されたサルも含めて17匹となっています)
日本にいて「へえ~」と思ってしまうのは、表沙汰になって事件化されることでしょうか。この場合、税関が問題視して表に出したということですよね、ロイターにサルの死体の写真なんて撮らせてるんですから↓
http://www.dailymail.co.uk/news/article-2035604/15-monkeys-dead-Los-Angeles-airport.html
荷物の積み方が悪く、空気穴がふさがっていたため飛行機が着いたら大量にサルが死んでいたとか、そういう話は日本でもあったと検疫所の人の講演で聞いたことがあります。そういうときに動物愛護法上の問題にはされてきていないですよね、日本だと……。
もちろん法制度が違うと言われればそれまでですが。あと、検疫中にも死ぬので、自分たちも責任を追及されたら嫌とかもあるのかもしれないですが。でも明らかにおかしいケースが不問になるのはおかしいと思うんですよね。
ちなみに、中国南方航空に対するアクションは、メールの呼びかけもあります。
https://www.facebook.com/events/136427676541762/
2012年、業者無罪の記事:
Dead monkeys from Guyana…Jury acquits animal broker
http://www.kaieteurnewsonline.com/2012/04/06/dead-monkeys-from-guyana…jury-acquits-animal-broker/
2012年、業者起訴の記事:
US research monkey importer facing cruelty charges
http://www.foxnews.com/us/2012/03/26/us-research-monkey-importer-facing-cruelty-charges/
共食いの記事:
Monkey Cannibals: Robert Conyers Charged With Animal Cruelty UPDATE
http://blogs.miaminewtimes.com/riptide/2011/09/robert_conyers_charged_with_an.php
事件のあった2008年の記事:
Animal broker charged in deaths of 15 monkeys
http://latimesblogs.latimes.com/lanow/2011/09/animal-broker-supplier-charged-in-deaths-of-15-monkeys.html
2014.3.25追記: 中国南方航空は、実験用霊長類の輸送をやめると宣言したそうです。