すでに大ニュースになっていますが、動物実験がなされていたにもかかわらず、カネボウが新規開発した医薬部外品成分によって被害が出、製品回収に至りました。金額的にも対象商品数としてもかなり大規模なので、美白がどれだけ市場に氾濫しているのか、思い知らされた感もあります。
既に皆が言っていることですが、やはり動物実験がされているからといって、新規成分が安全ということはないと断言してよいのではないでしょうか。厚生労働省としては、重大な被害ではないという見解らしいので、国の安全性の考え方がどのあたりにあるかも今回のことでわかったかと思います。
さらに下記の記事によると、輸出されていたのはアジア諸国。日本での承認が2008年ですから(正確には2007年だけど、カネボウがリリース打ったのが2008年)、EUでは2009年の動物実験禁止には間に合わなかったということか?とも思いますが、ただ、EUはもともと美白製品はほとんど売っていないそうです。文化的需要がないという話もありますが、美白したい場合は医者に行くものだとも聞きました(イギリス)。
それくらい美白とは強力な作用を必要とするもの(=危険)なのに、日本ではちょっとお手軽に求められすぎているのではないでしょうか。(その一方で、「どうせ効かないし」みたいな現実もあるかとは思いますが。白斑ができるということは、この成分は作用があったということかと思い、その意味でも驚きました。)

ちなみに、最初にこのニュースを知ったのは、実は厚生労働省のこのページででした。
(株)カネボウ化粧品、(株)リサージ及び(株)エキップの薬用化粧品の自主回収について (クラスⅡ)
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r98520000035xv0.html
カネボウは動物実験している企業として認識していましたが、リサージとかエキップとか、私は聞いたことがなかったです。(リサージはカネボウの子会社と書かれていますけど)
承認されたときの厚生労働省の部会の議事録は以下の通り。
承認時の薬事・食品衛生審議会 化粧品・医薬部外品部会 議事録
http://www.mhlw.go.jp/shingi/2007/09/txt/s0921-4.txt
部会で審議された新規物質については、申請資料の概要が公開されているので、PMDAのサイトでどのような動物実験が行われたかは確認することができます。
http://www.pmda.go.jp/quasi_drugs/2007/Q200700002/index.html
最後のほうに、「動物における白斑非形成の確認」の項目があるので、動物実験で白斑の形成は確認できなかったことは明白です(199ページ)。
動物はモルモットで43日間の試験。
だからカネボウは「原因がわからない」と言っているのかもしれないですが、でもどうなのでしょうか。「ロドデノール」の解説を見ると、まさに肌を白くすることを狙った成分なので、白斑ができてもおかしくなさそうに思うのですが。

クリックして20080326-01.pdfにアクセス


というより、白斑ができるかもしれないと思ったから、できるかどうか確かめる動物実験(白斑非形成確認試験)を行ったわけでしょう?
意味がわかりません。
疑う理由があったことは間違いないと思います。
でないと、「無駄な動物実験と思っていたのに、やった」ということになります。
とはいえ、もうこの成分は使うことはできないのだから、今後、再度動物実験するなどといったことがないように願いたいと思います。
そして、美白を煽るような路線も改めていただきたいです。
また消費者も、美白ってかなり強力な作用を要求するものだという自覚が必要だと思いました。
(だいたいシミだってまだらにできるのに、白くするときだけ均一になるとか、それはありえないんじゃないでしょうかね…と思いましたね、この件で)
もう美白ばっかり求めるのは終わりにしましょうよ。そういう欲望が動物実験に結びついているのは間違いがないです。
追記:
下記の記事のリンクを追加します。万人に安全かどうかなんて、動物実験はもちろん、ヒトの試験でも確かめられないですよね。効果を求めるということは、それなりに副作用があるかもしれないということを理解して使わないといけないんだろうなと思います。
【カネボウ製品回収】  薬用化粧品の安全に課題  「自分で守って」と識者
http://www.47news.jp/47topics/e/243176.php