「“Stem Cell Reports”に発表された論文によれば、動物実験はアルツハイマーを治療する可能性のある薬を評価するために適切ではない」と、PCRMが書いています。
Alzheimer’s Drugs Tested on Animals Fail in Human Brain Cells
どのようなことを言っているかというと…
問題は、マウスの脳細胞が人間の脳細胞に比べて、ずっと薬の作用に敏感であるところにあるようだ。薬を患者で試験すると、過大評価されていたことに失望する結果になる。
アルツハイマー薬を開発するための研究の多くは、脳で斑を形成するアミロイド・タンパク質の産生を妨げる薬に集中している。しかし、動物モデルでは見込みがあるにもかかわらず、臨床試験に至った薬物は、ここれまで失敗してきている。
この研究では、アルツハイマー病患者からとられた幹細胞に由来する脳細胞が使われた。これらの細胞では、治療に用いる用量の薬が、斑を形成させるアミロイドレベルに影響を与えなかったのだ。
……とのことです。
下記の記事でも取り上げられていて、「意外なことに、これまで直接ヒトのニューロンでは試されてこなかったのだ」とあります。愕然!ですが、これまで生きたヒトのニューロンを取り出すのは難しく、幹細胞研究に至って初めてできるようになったということのようです。
この研究をした研究者は、「アルツハイマー薬は、こういった試験法によって試されるべきだ」としています。
Human Stem Cells Predict Efficacy of Alzheimer Drugs
元論文はこちらです。↓
APP Processing in Human Pluripotent Stem Cell-Derived Neurons Is Resistant to NSAID-Based γ-Secretase Modulation
それにしても、いい加減、「どうしてマウスが使われるのですか?」「それは、マウスの体が人によく似ているからです」みたいな嘘問答は、引っ下げてほしいですね~~~。
マウスも、ラットも、人間の家に出没する、捕まえやすい動物だったから実験に使われるようになっただけですよ。たくさんふえて、寿命も短いしね。
iPS研究のこういう面には期待します。