人工生命体研究の現状と将来!?
連続投稿です。
では、iPSで有望な治療法が見つかったとして、安全性はどうするの?という問題はありますが、今もっとも有望視されていると言われているチップ上の臓器の話がより発展的になる可能性が報じられていました。
広がる、「人工生命」研究 ES・iPS細胞で様々な細胞作り可能に
http://digital.asahi.com/articles/DA3S11355451.html
余り引用が長いと問題あるかもしれないですが^^;、大事なところを紹介しますと・・・
「 東京工業大の田川陽一准教授が発表したのは、哺乳類の人工生命システム作りだ。
田川さんはマウスのES細胞から、拍動する心筋の細胞を作成した。その周囲には、肝細胞と血管が通る肝組織や、すい臓の細胞もできていた。心筋、肝臓、すい臓、血管を含む5ミリほどの大きさのこの組織は、実際の生体同様、栄養(グリコーゲン)の貯蔵、血糖値の調整、尿素を作る解毒作用や薬物の代謝作用などを持っていた。
田川さんは、この組織と、腸管の細胞や透析膜を組み合わせた代謝システムを作ろうとしている。栄養液を送り込むと腸管の細胞で必要な成分が取り込まれ、血糖値の調整、栄養の蓄積と排出、解毒などが行われながら循環し、透析膜を介して尿素が体外に排出される。
将来的にはこのシステムを一つのチップに埋め込むという。薬の効能や毒性などを確かめる動物実験に代わる新技術だ。世界最小級の哺乳類である体長数センチの「バルチスタンコミミトビネズミ」より小さいチップが、原理的にはできるはずだという。」
すごい話になってきました。
でもこれは間違いなく動物実験代替法が目指すところの一つだと思います。
「合成生物学」というと、細菌レベルでかなり危ないことを行っている印象があり、倫理問題や生物多様性の問題がかなり大きいと思いますが、チップは自律的に生活・繁殖できる生命体というわけではないと思うので、また少し違うカテゴリのような気はします。