河野修一郎再読
雑誌「世界」誌上でサル実験者である伊藤正男氏と動物実験の是非をめぐって討論になった河野修一郎さんの本を改めて読んでみました。化学メーカーに20年務めた経歴のある方です。近年、著作も出されていないようですが、お元気にされているのでしょうか…
本著作は1997年刊行ですから20年前ですが、動物実験関係者が法規制を受け入れないことについて激しく批判している状況は、現在も全くかわらないです。あまりに変わらないことに驚いて、思わず投稿してしまったくらいです。
変わったのは、3Rが言葉の上だけは普及したこと、代替法が少し進んだこと。あとサルの実験は、もしかしたら少し改善されているでしょうか。でも現場は見ることができませんし、わかりません。これからもまた新しい脳プロジェクトに巨額な資金が投下されますから、状況は悪化している面もあるような気がします。今も、動物でやる必要があるとは思えない実験が数多く行われています。
動物実験の非科学性と動物福祉に反する実態は次第に知られるようになってきているとあるのを読んで、その後20年、一体何ができてきたかと思うと、思わず土下座で謝りたくなるほどです。
「科学という暗黒の聖域を温存することは決して得策ではないはずである」
今、ここまで書いてくれる人がいるかなあ…
ちなみに、畜産動物についてもページ数はかなり割かれており、動物のことに本当に関心を寄せられていたことがわかります。
▼下記は小説。