バターが消えた
NHKの特報首都圏で乳牛のことをやるみたいだと聞いて、昨日5月30日の「バターが消えた」という放送を見ました。
ニュースでは読んでいたけど、バターは本当にあれくらい店頭から消えていたんですね~。バターどころか、マーガリンも買わないので(昔ビーガンのマーガリンは探してもなかったし、そのうち必要という感覚はなくなった)、こんなに消えているとはまったく知りませんでした。
ないならないでまったく不便はないし、いいことではないかと思ってしまうのですが…。
とはいえ、考えてみればわたしもベジタリアンになったとき、お料理に使っていたバターを何に変えたらいいのか、わからなかったのを覚えていますが。当時は、オリーブオイルすら、まだ流行っていなかったと思います。バターの代わりは別に、植物性の油でまったく問題ないと思います。あの臭みが好きな人も、消費を止めれば、逆に臭いと思うようになるんじゃないかと…。
お料理をせずパンに塗るだけの人なら、オリーブオイルが代替品になるし、体に悪いマーガリンを買う必要もないと思います。
しかし…生産を制限していく方向のほうがいいと思っているとはいえ、調整で牛100頭処分した話とかは、やっぱりショックでした。でも、それでも、バターが手に入らないからって、生産調整を間違った国策とまで言うのは、それこそ間違いではないかと思います。
食料自給率を下げるのも、国策の目標のひとつなのなら、輸入飼料にたよって自給率を下げている乳製品の消費量もターゲットにするべきだとおもうのですが…… 国民の健康のためにもなるし。今はなんでもかんでも乳製品が入りすぎ!
なのにNHKは「手に入らない」という買いたい消費者の視点ばかり…。ちょっとガッカリでした。
補助金を出す先が間違ってる話はとても興味深かったのですが、独自の努力でやっていると紹介されていたところも、かなりの集約畜産で、「いのちの食べ方」に出てきていたあの驚きの回転式搾乳器を使ってましたもんね…。「あ…日本にもあるんだ」と愕然としてしまいましたけど…。
放牧に力を入れていたり、せめてすこしは体によい牛乳をつくっているところに出されるのならともかく、乳業会社のいいなりで売っている量産酪農にしか出ないというのだから、まぁビックリはビックリですけど。いかに大手乳業会社が政策的に優遇されているかということですね。そこのところを暗についているのは面白かったですが…
安い牛乳のしわ寄せは、たしかに酪農家にも行っているけれど、一番きつい思いをしているのは、当の乳牛だと思います。
番組の姿勢全体が、「牛乳は飲まなきゃいけないし、バターが手に入らないのはけしからん」(しかも多分、<安く>が大事)という価値観でつくられていたことは非常に残念です。
スポンサーのない放送局なのだから、せめて「牛乳にもっとお金を出そうよ」と言えないものなのか…。自分で牛を飼って牛乳を飲むことを考えたら、土地代、牛代、飼料代、治療費、世話をする時間を働いたら得られるはずのお給料…とかかるわけで、この安さは異常だということのほうをまず消費者に伝えるのが報道というものでは?と思います。。。
あーっ、私も税金という形で牛を飼っているんだな、、苦しい形で。いやだな。。。