平成21年 化審法改正(参)
※化審法改正における岡崎トミ子議員の質疑より。
第171国会 参議院 経済産業委員会、環境委員会連合審査会 1号
平成21年04月28日
(前略)
○岡崎トミ子君 (中略)
それでは、動物実験についてお伺いしたいと思いますが、今回の改正案が通りますと膨大な数の安全性試験が必要になるわけですが、これまでの安全性試験のやり方ではたくさんの動物実験が行われます。
この安全性試験に関しまして時間とコストが掛かるわけですけれども、動物実験によっての時間とコストの問題に関してどのように考えていくかですね。EUとアメリカでは動物の犠牲を減らすことを求める世論もありまして、動物実験に使う動物を減らすために、代替法ですね、技術の開発、評価に資金を投入するということをしております。
今回の化審法の改正に当たって、その基礎にもなっております三つの審議会によります化審法見直し合同委員会報告書でも、動物試験の代替法について、今後とも更に取り組んでいくことが重要であると考えられるというふうになっております。
そこで、動物実験の数を削減する方法の一つは、異なる機関での重複実験を避けること。REACHでは、重複を避けて、そして特に脊椎動物を使う試験を減らすために、登録や更新の作成及び提出に係る規定は、登録者から要求がある場合には情報の共有を要請すべきである、こういうような文言がありますが、日本でも、情報共有を求める、そして可能な限り重複実験を避けていく、こういう方針はありますでしょうか。また、公開されます海外のデータを積極的に採用していくおつもりはあるでしょうか。
○政府参考人(原徳壽君) 動物実験については、御指摘のとおり、動物愛護の観点からできる限り代替法の活用やあるいは使用動物の削減等に配慮することが重要であると考えております。
今回の化審法の運用においても、海外のデータを含む既存の知見の活用、また安全性情報を事業者に求める場合の重複した試験の回避などによりまして動物実験をできる限り少なくするよう配慮してまいりたいと思っております。
さらに、OECDにおける取組、これによりまして海外のデータの活用を可能とする試験方法や実施機関の基準の共通化、これらについても非常に重要であると考えております。
またさらに、OECDにおいては、培養細胞を使った試験あるいは化学物質の構造から有害性を予測するQSAR、キューサーなど、動物実験を行わないでその毒性等について検討するという、こういうような手法も開発されているところでございまして、我が国としましても、試験法共通化のためのOECDの作業グループへの参加、あるいは我が国で開発しましたQSARの提供、それらの代替法の有効性検証プロジェクトへの参加、これらによりましてOECDの活動にも積極的に参加しながら考えていきたいと思っております。
○岡崎トミ子君 動物実験につきましては幾つかもっと質問を用意していたわけなんですけれども、動物愛護につきましては山根先生が大変熱心なので次の委員会で質問をしていただくということで、私は次の総合法制について伺いたいと思います。
(以下略)
※動物実験代替法の開発・活用を明記した画期的な附帯決議につながりました。
参考: