3度目の動物愛護法改正へむけて、動物実験施設の登録(ないしは届出)制度が検討されましたが、業界の強い反対によって、今回も改正はなりませんでした。

■国会の記録

衆議院

環境委員会 第12号 平成24年8月28日(火曜日)
本会議 第36号 平成24年8月28日(火曜日)

参議院

環境委員会 第12号 平成24年8月28日(火曜日)
本会議 平成24年8月29日(水曜日)

■環境省の動き


更新が止まっていて申し訳ありません。動物実験について検討されたのは、小委員会の第21回のみです。

 
第25回
資料4 PDF動物愛護管理法見直しに向けた議題(案) [PDF 184KB]
資料5 PDF動物愛護管理法見直しに向けたスケジュール(案) [PDF 245KB]

検討課題として以下のものが挙げられています。小委員会での検討予定時期は、2011年5月です。

6.「実験動物の福祉」
・ 届出制等の検討(届出制又は登録制等の規制導入の検討)
・ 3Rの推進(代替法、使用数の削減、苦痛の軽減の実効性確保の検討)

 
第26回
資料1 PDF動物愛護管理基本指針の点検(第3回)について [PDF 501KB]

6.実験動物の適正な取扱いの推進
(環境省の取組)
○国内の実験動物を取り扱う施設に対して「実験動物の飼養並びに苦痛の軽減に関する基準」等の遵守状況について実態を把握するため、アンケート調査を実施。
(現状・進捗状況)
○改正動物愛護管理法及び「実験動物の飼養並びに苦痛の軽減に関する基準」の告示を踏まえ、文部科学省、厚生労働省、農林水産省が策定した動物実験等の実施に関する基本指針や、日本学術会議がとりまとめた「動物実験の適正な実施に向けたガイドライン」によって、「3Rの原則」や実験動物の飼養保管基準の遵守を推進。

資料2 PDF動物愛護管理基本指針の点検(第3回)について 図表資料 [PDF 1,077KB]

20ページから「実験動物の適切な取扱」。アンケート結果が掲載されています。

 

 
第1回
資料8 PDF関係者ヒアリング(案)

今後のヒアリング案が公表されました。実験動物については下記の通りです。
<ヒアリング⑥>
・ 特定動物飼養の関係者(動物園関係者、爬虫類専門家等)
・ 実験動物取扱施設の関係者
・ 地方自治体(実験動物取扱施設に対する取組を行っている自治体)

 
第5回

全国ペット協会副会長である委員より、売れ残りの犬猫についての説明がありました。資料「犬・ネコの流通経路について」における「流通外」とは、これが保健所に行っているとよく言われるが、実際には、里親に出したり、雌犬なら繁殖用に残したりしている。また動物専門学校(トリマー学校など)の教材や、ふれあい犬になったりもしているという説明でした。

 
第6回

動物愛護団体ヒアリング
動物生命尊重の会より、里親探しをするときに愛護団体が神経を使っているのは、実験動物にまわすような詐欺にあわないようにすること。「犬や猫を実験用に繁殖したり販売している業者」も登録制としてほしいという意見が出されました。 PDF資料

ペット葬祭業業界団体ヒアリング
日本動物霊園連合より、動物愛護法では限界があるとして、「動物の火葬埋葬法(仮)」の作成の要望がありました。炉についての規制も求める内容です。 PDF資料

※実験動物生産業者のヒアリングも予定されていましたが、動物実験についての検討をするときと一緒にやるとのことで、延期されました。

●参考:小委員会の内容に関するツイッター上のつぶやき
第4回 http://togetter.com/li/60862
第5回 http://togetter.com/li/61145
第6回 http://togetter.com/li/67224
第7回 http://togetter.com/li/67554

■業界の動き

日本動物実験代替法学会 

動物の愛護と管理に関する法律改訂に関する意見

第23回大会
シンポジウム1「動物の愛護及び管理に関する法律」(動愛法)の改定に向けて
4日(土) 15:00-16:50
座長 大野 泰雄 (国立医薬品食品衛生研究所) 
吉山 友二 (北里大学薬学部)
S1-1 動愛法改定に向けての環境省での検討状況
林 良博 (東京農業大学農学部)
S1-2 実験動物の立場から(1)
鍵山 直子 (北海道大学大学院獣医学研究科)
S1-3 国際的な動物実験代替法推進の動向-我が国の法制、指針との比較-
黒澤 努 (大阪大学医学部付属実験動物施設)
S1-4市民の立場から(1)
青木 貢一 (動物との共生を考える連絡会)
S1-5 人道的科学が目指すべきゴールとは何か
亀倉 弘美 (動物実験の廃止を求める会)

 
日本実験動物医学会・日本獣医学会実験動物分科会

動物愛護管理法の見直しに関する意見書
–実験動物福祉分野における獣医師の役割について–
 平成23年6月12日

 
LINK:日本獣医師会雑誌 第63巻 第6号
    PDF「動物愛護管理法における3 R 原則の明文化と実験動物の適正な飼養保管」
    鍵山直子(北海道大学大学院獣医学研究科特任教授)

※改正後の基準等改正については、こちら