祥雲寺 東京都渋谷区広尾5-1-21

数知れぬねずみもさぞやうかぶらむ
この石塚の 重きめぐみに

 広尾駅から商店街をずっと歩いた突き当たりにあるお寺に、その名も「鼠塚」という大きな石碑があります。名前はねずみでも、見てビックリ、とっても大きい碑なんです。

 この碑は、明治時代の末、ペストが大流行したために大量に駆除されることとなった、哀れなネズミたちの魂をなぐさめるために建てられた供養碑です。疫病のことなんてスッカリ忘れた現代の日本人にはちょっと驚きの存在かもしれません。

 実は私はこのお寺のすぐ近くで働いていたことがあったのですが、そのころそんな話はまったく聞いたことがありませんでした。大きいけれど目立たず、隅の方にひっそりとそびえたつ姿。「あんた、やっぱりねずみだわ」と思いつつ、花を供えてきたのでした。(もちろん誰もお花なんか供えていないからです……)
 

・交通案内

地下鉄日比谷線広尾駅下車恵比寿側2番出口より徒歩5分。祥雲寺山門から道が続くので、奥まで入った墓地入口に建てられています。

 

・縁起

豊臣秀吉の天下統一に貢献した福岡藩主・黒田長政の没後、嫡子忠之が龍谷山興雲寺を建立(元和9年(1623))。寛文6年(1666)年に麻布台に移り、瑞泉山祥雲寺と号を改め、寛文8年(1668)の江戸大火により現在の地に移転。臨済宗大徳寺派のお寺です。

・名所

  • 黒田長政の墓

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