戦火のバグダッド動物園を救え―知恵と勇気の復興物語戦火のバグダッド動物園を救え―知恵と勇気の復興物語

一気に引き込まれて読んで、しかも読み終わったあとも繰り返し読み返してしまいました。最近読んだ本の中ではピカイチの臨場感でした。イラク戦争下でのバグダッド動物園についての報道は、日本にいても何度か目にしたと思うのですが、あの短い報道の裏にこのような物語があったのか……と深く考えさせられるものがありました。

戦争が始まると動物たちはどうなるのか、そして人間のくらしがどうなるのか、そして、動物を救いたいと思う人たちの対立がこんなときにも……動物好きが戦争を考えるよい一冊だと思います。多くの人にとっては、「戦争のときに動物なんて!」なのかもしれず、実際略奪されて肉になった動物も多かったわけですが、その戦火のさなかでも、動物たちを気にかけた人々がいたことは大変な救いだと思います。

自分自身は、戦争のさなか他国に乗り込んで動物を救うなんてとってもできそうにないので、この著者のサバイバル術のすごさにも感動しちゃいました。

あとで少し「どちらの動物を救いたいと考えるかという問題もあるよなぁ……」なんて、考えさせられるところもありましたけど……。

著者がバグダッド動物園再興ののちに新しく起こした団体:

Earth Organization

http://www.earthorganization.org/