イギリスに、生命倫理に関係する各種ガイドラインを作ったりしている非営利・民間の独立組織で「ナフィールド委員会」というのがあります。(ナフィールド生物倫理審議会とか、いろいろな訳があるみたいですけど)
そこが2005年に動物実験に関するけっこう長い報告書を出したのがこれ。
The Ethics of Research involving Animals
http://www.nuffieldbioethics.org/go/ourwork/animalresearch/introduction
ここの親組織のナフィールド財団が科学振興をやってるので当然と言えば当然ですが、動物実験の有効性を認め、動物実験の廃止運動を否定する立場ではあります。ただ、日本だったらこういうメジャーどころがそこまで言わないんじゃないかな??と思われるようなことが書かれているようで気になってました。(「中立的である」とほめている人さえいるくらい??)
で、それに対して動物実験を否定する現地の団体がいろいろ批判なども書いている記事を見ていてちょっと苦笑したことが。
http://www.uncaged.co.uk/news/2005/nuffield.htm
「この報告書は動物実験を擁護する立場で書かれている、なぜなら例えばこんなことが書いてある」と例に挙げているのが、動物実験は有用だと書いている一文だけではなくて、
「イギリスでは動物実験は厳しく規制されている」
という一文もだっていうんですも~ん(笑)。
日本の研究者もよくそう言ってるけど、現地では、そういう物言いには反発があるってことですよね。
「わが国では動物実験を適正に・・」VS「どこがだ!?」という構図はどこの国も一緒なんだなぁ~と思って苦笑してしまいました。
でも、ナフィールドの報告書には、「しばしば、動物実験をやめてしまったら科学や医学が進歩しないと言われているが、そのような一般化はためにならない」とか、書いてあるそーです。