昔々、1981年に出た本のことですから、約30年前…かなり昔ですが、実験用ネコがどこから来ているかという昔話でございます。

医学・生物学研究のためのネコ (1981年)

医学・生物学研究のためのネコ (1981年)

  • 作者: 中野 健司
  • 出版社/メーカー: ソフトサイエンス社
  • 発売日: 1981/12
  • メディア: -

上記の本より。
「購入猫の問題点」の章からまとめると、当時は、
・実験用猫の生産を行おうとしたところも不成功に終わり、商業繁殖を行っている企業はなかった。
・わずかに数研究施設が自家繁殖を行っていた。
・動物業者から購入できるが、固有の生産場は持っておらず、一定水準以上の維持設備を持っているかどうかも明らかでない。直接間接に動物収集業者と連絡し、納入動物を得ているのが実情。生息地も確認できない。動物納入業者の選定は慎重に行うべきである。
・自治体抑留施設からの導入もできるようになった。(動管法制定後に、各自治体が条例を定めてから、猫も入手可能になった)
・生息地・年齢を直接把握できるのは、各家庭から研究機関への直接寄贈。しかし過去にいくつかの機関でトラブルが起きている。
また、「検疫」の章では3群を比較しているのですが、
・都内の動物商から購入した群
・平塚市、川崎市のセンターから払い下げられた群
・都内の一般家庭から直接譲り受けた群
この3つを比較してます。
なんだか……時代を感じてしまうのでございました。
でも、現在は払い下げはなくなったとして、動物収集業者と一般家庭はどうなのでしょうか。なくなっていると信じたいのですが…。(あと、さすがにこういう本にも載っていないのが、学内などで自分たちで捕獲するという方法~)
いわゆる野良猫がすぐ繁殖してふえるので意外に思われてしまうのですが、猫を実験用の環境で飼育しながら繁殖するのはなかなかむずかしいと聞きます。いま、供給ルートはどうなっているのか…気になります。
2004年 販売数          886 匹 (97.0%)
      自家繁殖使用数    106 匹 (75.6%)
2006年6月1日時点の飼育数 1098匹 (67.4%)
※いずれもアンケートなので、そもそもの母数がどうなのかという問題もありますが…( )内はアンケート回答率です。2006年度からアンケートのとり方変わったようですが…