マイアミの動物実験施設から流出したサルの写真を今年の夏にブログで紹介しましたが、あの写真の流出元企業に関する別の話が、フロリダの団体ARFF(The Animal Rights Foundation of Florida)のブログに掲載されていました。
Another black eye for Primate Products, Inc.

Gov. Scott signs law restoring protections for animals


2010.12.20
写真の流出元であるプライメイトプロダクツ(Primate Products, Inc.)は、実験用霊長類の輸入販売をする会社ですが、なんと2009年前半に、アメリカのあの有名なCDC(アメリカ疾病予防管理センター)からこの会社に92匹のヨザルが与えられていたというんです。ひとつの研究所でリタイアしても、次があるということですね。
サルは、生体として使うだけではなく、血や組織といった「バイオ製品」として売られることもあります。
しかし理由はわかりませんが、2009年7月に、この企業は、そのサルたちをホームズテッドにある野生生物のサンクチュアリに送ったのだとか。
そして、到着後3日以内に22匹が死亡、翌週にはさらに6匹が死亡。農務省の報告書は、単独飼育から突然群れ飼いになったためのストレス死ではないかと言っているそうですが……。
そして、ヨザルの扱いに関して知識のない組織に100匹近くもを払い下げるなんてことはするべきではなかったとこのブログには書いてありますが……。
うーん、原因が本当にそれで正しいなら、引き受けたサンクチュアリの方も悪いような。
下記の報道によると、ヨザルは一夫一婦制の動物で、集団で飼育すると心臓に負担がかかって死ぬこともあるとあり、プライメイトプロダクツがそのことを警告しなかったのは問題だが、サンクチュアリのエバーグレーズアウトポスト(Everglades Outpost)も知っておくべきだったと言う人もいるという感じです。
しかし、CDCは健康証明書をつけてプライメイトプロダクツに渡したが、エバーグレーズアウトポストの中の人は、プライメイトプロダクツで既に病気だったから彼らは(実験用に)売ることができなかったのだと言っているとか。
サンクチュアリは、安楽死させるにはしのびないからこそサルたちを引き受けて、それなりに広くて木も植えられた施設を準備していたようなので、複雑な気持ちになります。寄付で運営されている非営利の組織といっても、なかなか動物園との境目が微妙だし、こういった施設もきっといろいろあるんだろうなとは想像してしまうのですが……。
生き残ったサルもすでにこのサンクチュアリにはおらず、行方を追っているようです。
At Least 21 Monkeys Dead After Botched Rescue Attempt
しかし、大元をただせば、CDCもいいかげんなような。
マウスやラットは消耗品のように使われていきますが、サルたちにはまた別の苦労がありますね。