EU マウスを使う貝毒の試験を代替へ
2010年11月21日に、ツイッターで下記のようにつぶやきまして。
EU、貝毒のマウスアッセイも代替へ!? うぉ~っ http://www.buav.org/article/597/buav-welcomes-replacement-mouse-test-for-detection-of-toxins-in-shellfish
マウスを使う貝毒の安全性試験には長年有効性に疑念が。EUはより信頼できる方法に切り替える。 RT @FoodProdDaily EU unveils change of test method for marine biotoxins http://bit.ly/arRoXb
EUで貝毒の試験が代替されると、年間30万匹のマウスの命がすくわれることに。 RT @FoodProdDaily EU unveils change of test method for marine biotoxins http://bit.ly/arRoXb
で、これはさすがに公的機関かどこかが詳しく翻訳するじゃろーと思って、待ってみたりしたのですが、検索しても一向に出てこないので、概略を上記の記事からご紹介します。大体こんな感じです。
EUが貝毒試験法の変更を明らかにした
欧州連合は、海洋性生物毒素を検知するための生物学的試験を、来年の夏から、より信頼できる化学的方法に代替することを承認しました。
化学的試験法へ変更になるのは、カラスガイ、ザルガイ、カキ、ホタテガイのような二枚貝における下痢性貝毒(DSP)を検知するためのマウス試験法(MBA)です。
新しい試験体制は、2011年7月に開始されることになっており、昨日(2010年11月18日)、欧州委員会は、消費者の健康の保護を促進することになると述べています。
提案は、水曜日(17日)に食品生産流通過程・家畜衛生常設委員会(SCoFCAH)で、加盟国によって正式に支持されました。
マウス試験法は、貝からとった抽出物をマウスの腹腔に注射するものですが、(DSPにいくつかある毒素群のうちの)オカダ酸群を検知するには不十分で、長年懸念をもたれてきました。
新しく採用されるのは、液体クロマトグラフィー質量分析法(LC-MS/MS)であり、この方法を採用することで、EUで30万匹のマウスが救われるとされています。
EU統一のSOP(標準作業手順書)はこちら:
クリックしてEU-Harmonised-SOP-LIPO-LCMSM_Version2.pdfにアクセス
記事からは以上ですが、
SCoFCAHのサイトに2010年11月17日のアジェンダとサマリーレポートが掲載されていました。
クリックしてsum_17112010_en.pdfにアクセス
また、この件で検索していたら、下記のような記事が出てきたので、参考までリンクします。
フランス食品衛生安全庁(AFSSA)、脂溶性海洋性生物毒素(貝毒)サーベイランスにマウスを使ったバイオ・テストに替えて新たな化学的貝毒検出方法(LC-MS/MS:液体クロマトグラフィ・タンデム質量分析法)の適用を開始することを公表
http://www.fsc.go.jp/fsciis/foodSafetyMaterial/show/syu03050720188
2010(平成22)年1月12日
フランス農業・水産省、食用貝公式サーベイランス検査方法(マウス・テストから化学分析法へ)の変更を公表
http://www.fsc.go.jp/fsciis/foodSafetyMaterial/show/syu03041360342
2010(平成22)年1月4日
欧州食品安全機関(EFSA)、貝毒6種のEU規制値や分析法等に関する科学的意見書を公表
http://www.fsc.go.jp/fsciis/foodSafetyMaterial/show/syu02960630149
2009(平成21)年8月26日
イギリスイギリス食品基準庁のページ
Proposal to amend Regulation (EC) No. 2074/2005 with regard to recognised testing methods for detecting marine biotoxins in live bivalve molluscs (England)
http://www.food.gov.uk/consultations/consulteng/2010/testingmethodsmarinebiotoxinseng
日本語の論文:
貝毒の分析方法の最近の動向について
日本海洋生物研究所 年報,2008