バイオサイドというのは、抗菌剤や殺虫剤などの殺生物剤のことですが、HSIによると、EUではそういった製剤のための動物実験も削減への道が開けつつあるようです。(但し、食用の農薬は除かれています)
HSI Europe Applauds EU Parliament Committee for Voting to Spare Thousands of Animals from Biocide Chemical Tests
http://www.hsi.org/world/europe/news/releases/2011/10/biocides_committee_vote_100411.html
バイオサイドに関するEU指令の改正の提案は既に2009年になされており、HSIの以前の記事のリンク先を見ると、確かに不必要な動物実験の回避の項目が盛り込まれています。EUは、ほんとに動物実験については関心高いですね。大きな保護団体の働きかけや、それなりに強い世論が背景にあればこそのことだろうけど…。
Environment: Commission proposes to improve the safety of biocides and to simplify authorisation procedures
http://europa.eu/rapid/pressReleasesAction.do?reference=IP/09/913
概略は、REACHと同じように試験は1回だけ、重複実験をさせないようにデータ提供させるということのようです。
また、毒性や薬効に関して、実際に試験が必要な場合にのみ要求するとも書かれています。(一律に何でもかんでも要求するということではない?)
HSIによると、こういった殺生物活性をもつ成分を1つ開発するごとにおよそ6000匹の動物(イヌやウサギ、げっ歯類など)が犠牲になるのだそうですが、そういった実験では、動物たちは麻酔処置の恩恵を受けることもなく、嘔吐や痙攣を起こし、死んでいきます。
改正案は環境委員会で採択されたそうですが、最終的な成立には、まだこれから欧州議会と理事会での可決が必要です。
EUのバイオサイド政策についてのページ:
http://ec.europa.eu/environment/biocides/revision.htm