皆さん、『猿の惑星 創世記』や『プロジェクト・ニム』、ごらんになりましたか? かたやサイエンスフィクション、かたや実際に実験に使われたチンパンジーの生涯を追ったドキュメンタリーですけど、すごくオーバーラップするところがありました。
実験という人間のエゴについてはもちろん、野生動物が人に育てられる不自然さ、そしてそのことがチンパンジーの人生をめちゃくちゃにしてしまうこと……。
さらに胸が痛むのは、善意でそこから救い出そうとする人々の思いすらも届かない現実。
これは苦しい。
そして、もっと身もふたもない話をすれば、本来は善意で保護しているはずの施設もひどかったりすること。
こんな展開になったら、ほんと最悪です。人間ってどこまでどうしようもないんだと思わざるを得ない。
野生動物を自然から切り離してしまっては、本当にいけないんだと思う……
そんなことを思っているときに、この報道を見て、少しだけ気分が明るくなりました。
Chimps taste ‘next best thing’ to freedom in Wash. state
http://www.komonews.com/news/local/130546448.html
3年前、動物実験施設からChimpanzee Sanctuary Northwestというサンクチュアリに移された7人のチンパンジーたちに、新しい2エーカーの運動場をつくってあげた話です。
およそ40年間も幽閉の身だったチンパンジーたちが広い場所に出るシーンは、なんだかこっちまでどきどきしてきます。

でも、これだけ広くてすばらしく見える場所でも、チンパンジーたちは身をもって電柵の感電を経験して覚えていかないといけない。ほんとうに、人間が完璧な天国を作ってあげることは絶対にできないのだから、こういうことは今飼育されている動物たちで終わりにしてほしい。
まさに「次善の策」でしかないけれど、せめて少しでも広く自然のある場所で、仲間と暮らしてほしいです。
まだアメリカでは実験にチンパンジーが使われているのだけど。