動物愛護法改正 与党案は実験動物には手をつけず
5月31日、民主党の動物愛護対策ワーキングチーム(以下、WT)が公開で行われたので傍聴してきました。結論から言いますと、与党の改正案骨子から、「実験動物の届出制」や「動物実験の3Rの義務化」は削除され、動物実験に関する条文については手をつけないという結論に至ったことが田島一成座長から告げられました。
もうこのことにはガックリきていて、当日のブログの更新すら怠ったところではありますが、ここに至るまでの議論は相当長く、また座長が「これがゴールではない」とし、今後も議論を継続する場をつくっていくことを考えていることを示してくださったことには、大変希望を持ちました。
動物実験に係わる法律は動物愛護法だけではなく、むしろ動物実験を求めている法体系についても動物福祉を組み込んでいく必要があると感じますし(名づけて「3Rの主流化」~)、部門横断的な議論というのも期待をしたいところです。
しかし、この日のWTに至るまでには、実はここ↓に書かれているような別法化の話もあり、市民の目から隠されたところで議論が進むことだけは絶対に止めてほしい……とも願っています。
ALIVEの声明 ~ 動物実験施設の届出制は動愛法で~
http://www.alive-net.net/law/kaisei2012/seimei_experiment_2012.htm
ところで、WT当日は、岡本充功議員、吉田統彦議員、足立信也議員、梅村聡議員、西村まさみ議員といった、医師・歯科医師の議員も出席していましたが、これまでとは一転して発言はなく、足立信也議員が、「これでいいと思う」と一言言って、これまでの一連の議論終了の締めとなっていました。
(これだけ聞いても、「これ」が何を指すのかすらわからないかもしれないくらいあっさりとした発言ですが、「動物実験施設の届出制がなくなったので(もしくは何も改正されないので)、いいと思う」の意味です。蛇足以外の何者でもない説明ですが、念のため)
実験関係者側で傍聴にきていたのは、大学関係、製薬関係、化学業界関係、そして実験動物生産業界(…としていらしていたのでしょうか、違ったらごめんなさい~)などだったのではないかと思います。
このWTについては報道もされていますが、ほとんど犬猫殺処分や業規制についてだけですね。
論点としては最大、議論の時間としてもおそらく最長だった実験動物が無視されちゃうって、ほんとに報道も「共犯」じゃ!と思ってしまいます(´へ`)
犬や猫の殺処分ゼロに…民主WTが愛護法改正案
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20120531-OYT1T01092.htm
読売新聞
生後56日未満の犬猫は販売禁止=動物愛護法改正案―民主
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120531-00000132-jij-pol
時事通信
安易な殺処分防げ 犬猫の引き取り、自治体に拒否権
http://www.asahi.com/national/update/0531/TKY201205310582.html
朝日新聞
民主党WTが動物愛護法改正案の骨子案を決定、岡本英子氏が事務局長
http://news.kanaloco.jp/localnews/article/1206010008/
カナロコ