国立国会図書館『外国の立法』 EUの実験動物保護指令
日本の国立国会図書館が発行している『外国の立法』という冊子に、EUの実験動物指令の記事が載ったとのことで、ウェッブサイトにも掲載されています。
『外国の立法』No.254 【EU】EUの実験動物保護指令 (PDF file 1,108KB)
http://dl.ndl.go.jp/view/download/digidepo_4023711_po_025406.pdf?contentNo=1
OIEやAAALACについても出てきますね……。
うーん。日本の仕組みについて、「日本における実験動物の取扱いにおける倫理的な配慮は、このように、主に行政指導によって行われているといえよう。」とありますが、これは実感とは全く異なる異質な見解です。間違いと言っていいのではないでしょうか。
各省庁はガイドラインを定めてはいるけど、実質的には何もしてないですよ。アンケートをとっているだけ。
むしろガイドラインのレベルが低すぎるので、民間の組織の努力に頼っているのが現実ではないでしょうか。
動物実験に係わる人が対象の動物福祉に関係するいろんなイベントに行ったりしますが、行政がこういうイベントを開いたことがありますか。
勉強も改善も現場の努力でやっていて、行政主導でも何でもないですよ。
何だか、ガイドラインがあるだけで絵空事が事実化してしまうなんて、腹立たしい限りです。
……とヒートアップしたところで話がそれますが、この指令、以前私も所属していた大手の団体が「動物実験指令」と訳していたので、私も以前はその言い方を使っていたのですが、どう考えても原文は「科学的な目的のために使用される動物の保護に関する~」なので、短くするとしたら「動物実験指令」は誤りで「実験動物指令」なのですよね。
なので、以前から自分が使うときは「実験動物指令」と短く表現していたのですが、国立国会図書館が「実験動物保護指令」を用いるのであれば、これが定訳になっていくのかなと感じます。実は、名称の定訳に悩むほど、日本語の資料は乏しかったのですよね。(少なくともこの誤りに気がついたとき、ネットで検索しても公的に使われている略称と判断できるものはなかった)
そんなことも思いつつ、過去の記事を一部修正しました。
追記:「中身は動物実験規制ではないか」という反論が聞こえてきそうですが、名称も目的も実験動物の保護であり、そのために動物実験に踏み込んでいるという、そこのところが重要なんですよ。「実験動物と動物実験を切り離す」などというのはありえないということをちゃんと示さないといけないんです。