犬と人が出会うとき 異種協働のポリティクス

犬と人が出会うとき 異種協働のポリティクス

  • 作者: ダナ・ハラウェイ
  • 出版社/メーカー: 青土社
  • 発売日: 2013/04/24
  • メディア: 単行本

『猿と女とサイボーグ』のダナ・ハラウェイの新しい翻訳書が出ているのですが……、タイトルの身近な感じとは裏腹に、難解な言い回しが続く本です。
「苦しみを分かち合う」の章が、もろに動物実験に生き物を使うことについて書かれている章なので理解を深めたいのですが、この持って回ったような言い回しに苦心します。訳者も、意味が分かって訳しているなら、なんとかもうちょっと理解しやすく訳せなかったのか…と自分の読解力を棚に上げて思ってしまったりして(切願)。
簡単にまとめてしまうと、動物を実験に使うことはよいことで、殺すべきか・殺さざるべきかの議論をすることは間違っており、まあエンリッチメントが最大限できればいいよね~、それも限界あるけど仕方ないよね~ってことなんでしょうか? 
大幅に間違っているかもしれないですが(汗) でも、研究者もアニマルライツも、どっちも間違ってるわよ~的な表現はたびたび出てくるように思います。
もともと実験生物学専攻の方なので、別にその結論でも不思議はないのですが、マーク・ベコフとかとも交流があるみたいだし、アニマルライツ・クラスタの話もちらほら出てくるので、もう少し読解できればと思っているところです。
あと、乳がんモデルマウスについても何か書いているらしいので、それもちょっと読んでみたいかも。
ほかの章が犬の話に満ちているのに対して、この章は、実験に用いる犬とはそれほど向き合ってないように感じられるのは残念でしたが、とりあえず今日のところはブツブツ言わず、話題のサイボーグ・フェミニズムの人が実験動物について書いてますよ~的な紹介にとどめたいと思います。