嘘と絶望の生命科学 (文春新書 986)

嘘と絶望の生命科学 (文春新書 986)

  • 作者: 榎木 英介
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2014/07/18
  • メディア: 単行本

衝撃的なタイトルのこの本、まず何の解説から入るかというと、それは
「ピペド」
う~ん、すごいです。
こんなにピペドという言葉が繰り返されている本を読んだことがない(笑)
いや笑ったら殺されそうですが、ライフサイエンスの底辺、実験動物の少し上あたり(たぶん)にいらっしゃる「ピペット土方」「ピペット奴隷」の人間の皆様を略して呼ぶのが「ピペド」。
あ、ピペットって、あれです。小保方さんが握ってた、スポイトみたいなやつ。
Photoshopのスポイトじゃないですよ、黄色い研究室で握ってたやつ。(しつこい)
あれをひたすら操作する定職のない奴隷「ピペド」がなぜ生まれるのか。そこからどんな問題が起きているのか。
不正もその一つであり、STAP問題についても語られます。
そして最後に、
「STAP細胞の問題を、バイオ研究の膿を出しきり、健全な研究体制を作るためのきっかけとしよう。そうでなければ、使われた研究費、無為に殺された実験動物、不正を行わず正々堂々と研究したために、研究現場を去らなければざるを得なくなった多くの元研究者たちが報われない。」
とありました。
最後に動物のことも触れてくださってありがとう。
ライフサイエンスという巨大なブラック産業の中で動物の地位はピペド以下の消耗品だけれども、少しでも真っ当な世界になることを願います。
こんな虚構産業に税金を搾り取られるのが、まずバカらしくなるし~~~(--)