コバンス社が売る実験用の子犬をJALが運んでいるという件、以前PETAの署名サイトをご紹介しましたが、改めて下記のようなメールが出回っているようです。転送されてきましたので、長いですが転載いたします。
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はじめてお便りさせて頂きます。
私は180万人のメンバーとサポーターを持ち、世界最大の規模で活動をしている動物
の権利団体 PETA (動物の倫理的扱いを求める人々の会、People for the Ethical
Treatment of Animals)の代表、イングリッド・ニューカークと申します。
PETAは、2007年7月よりJAL日本航空に対する署名運動を開始しました。 日本で活躍
されるジャーナリストの方々にその内容をご一報し、未だ日本で報道されていない事
実を日本の皆様にお知らせ頂ければとの願いで、この文書をお送りしています。
以下が署名運動の主旨です。
アメリカに拠点を置くCovance社は動物実験を請け負い、実験用の犬たちの繁殖・輸
出では、世界で最も大きな会社です。同社はまた、動物たちに対する数々の虐待歴が
あることでも知られています。実験に使用される多くの動物は、生体実験や解剖に至
る以前に、極度の精神的苦痛を味わっており、死にものぐるいで檻の中を往復した
り、自らの毛を毟り取ったり、肉体を噛んだりするといったストレス性の異常行動が
認められています。2005年だけでも5ケ所のCovance社の施設で重篤な違法行為が報告
されています。アリゾナ州チャンドラー市では、Covance社がその施設を市内に建設
することに対して、拒否する運動が起こる程同社の残酷な動物の扱いは有名です。こ
のチャンドラー市での騒動は、全米TVネットワークのABC/CBS/NBC等のメディアでも
大きなニュースとして報道されました。 そのCovance社が日本の大手航空会社JALを
使い、ビーグル犬の子犬たちをニューヨークから東京にある動物実験施設に輸送して
いるということが分かりました。既に、エア・カナダを初め、ブリティッシュ・エア
ウェイズ、バージン・アトランティック、ルフトハンザなどの航空会社が生体実験用
の動物輸送を拒否しています。日本航空にも、彼らが残酷な実験動物の国際取引に関
与しているという事実を認識し、生体実験施設に対する動物の輸送を請け負わないよ
う、PETA は署名運動を行っています。
これまでに、日本航空には一般の方々から 7,321通の嘆願書が送られ、PETA は西松
遥社長に対しても手紙を送っていますが、今のところ(  現在)何の回答も届いて
いません。Covance社と日本の製薬会社との関わりも深く、動物の輸送に関して問題
を起こすことは日本航空にとっては避けたいことかもしれません。しかし、実験動物
をニューヨークから日本へ輸送することの残酷な現実を真摯に受け止め、法を犯し動
物虐待で有名なCovance社との取り引きを止めることを願っている一般市民は大勢お
り、日本航空には手紙やメールでの要望が多数届いているはずです。
ニュージャージー州にあるCovance社の施設から出発し、ニューヨークJFK空港から成
田空港、そして日本国内の実験施設までの輸送にかかる時間は、合計すると28時間
にものぼることがあります。検疫も含めればそれ以上です。子犬たちは小さなケージ
に閉じ込められ、この長時間のフライトと輸送行程の間、十分な水と食事さえ与えら
れず、自らの排泄物の上に座り続けることを強いられている可能性があります。航空
機の貨物室には充分な冷暖房や換気設備が常にあるとは限らず、動物たちは激しい温
度差や酸素欠乏状態にさらされる可能性があります。しかしこれは、動物たちの苦し
みの単なる始まりに過ぎません。
ペットを飼っている人、動物と接する人には周知のことですが、犬は特に人間を信頼
し、愛情を受け、与えることによって生きる喜びを享受する動物です。生体実験の為
にアメリカから日本に運ばれる子犬たちは生まれてから、基本的な「生きる喜び」を
剥奪されるばかりか、実験室で精神的にも肉体的にも極限の虐待を受けます。同じこ
とが人間の子供に行われていれば、それは私たちすべてにとって堪え難い事です。そ
してこのことは、犬を家族として愛する多くの人々にとっても同じように堪え難い事
実なのです。
*ここでご参考のために、もう少し詳しく動物実験全般についてお知らせしたいと思います*
動物実験施設における動物たちは、まずはいかなる実験以前に、喜びの剥奪、隔離、
ストレス、トラウマ、鬱症状といったものに耐えなければなりません。それぞれの動
物種が必要とする環境を考えると、この事実は明白です。自然の環境下では、アカゲ
ザル、マカク(アジア、東インド産のサル)、ヒヒなどを含む多くの霊長類は、何年
も、または一生、自分の家族や群れと共に過ごします。彼らはお互いグルーミングを
しあい、食料を探しまわり、遊び、夜眠る為の巣を作って、毎日長い時間を一緒に過
ごします。しかし、実験施設では、彼らはしばしば単独で檻の中に入れられていま
す。また大抵、他の個体や家族との交流もなく、遊ぶ仲間もおらず、お互いにグルー
ミングすることも出来ず、巣もなく、座る場所は冷たくて固い金属の上です。
実験施設では、通常決して罹ることのない病気に感染させられますー小さなネズミの
身体には身体と同じ大きさの腫瘍が育ち、子猫はわざと盲目にされ、ネズミはてんか
ん発作に苦しみます。実験者は動物に化学薬品を強制的に食べさせ、繰り返し手術を
行い、脳にワイヤーを埋め込み、彼らの背骨を砕くなど、あらゆる残酷なことを行い
ます。
薬物実験では、動物たちの鼻孔から胃へ太いプラスチックの管が強制的に挿入されま
す。来る日も来る日も、その管に多量のテスト用物質が流し込まれ、その結果様々な
臓器が取り返しがつかないまでに傷つきます。そして、痛みに満ち、ゆっくりとした
死が待っています。
米国連邦法に何度も重篤違反している Covance社 と輸送ビジネスを続行するのは、
動物の残酷な取り扱いを認めているだけでなく、促進していることです。 Covance社から虐待さ
れている動物の、更なる過酷な輸送を行う日本航空を「動物に優しい」会社と呼ぶことが出来
るでしょうか。
以下のリンクで映像をご覧頂けます:
http://getactive.peta.org/campaign/japan_airlines  
( 日本航空への嘆願書送付を呼びかける PETA のウェブサイト)

( アメリカ Fox 10 ニュース、その他にも Related Videos の欄に Covance 社を取
り上げた映像が多数あります)
http://www.covancecruelty.com/
( Covance 社の残虐性を伝えるウェブサイト)
http://mlcastle.net/covance/
( Covance Undercover ヨーロッパの Covance 社の虐待に関するサイト)
http://www.covance.com/japan/
(Convance Japan オフィシャル・サイト/Convance: 創薬と臨床サービスの開発業務受託機関)
新薬を開発する為に、動物実験が必要なのかどうか、あるいは有効で人道的な方法が
あるのか、とい議論は当然歓迎されるべきだと思います。しかしながら、動物実験が
実際は人間の役に立つ結果を生み出していないということを私たちは知るべきでしょ
う。 例えば米国食品医薬局は、動物に対して安全かつ有効という結果を出した薬品
の92パーセントが、人間にとっては効果がないか、または危険であるという事実を
認めています。
実験をする側はその正当性と安全性、動物の丁寧な扱いを主張しますが、その実験内
容と施設は公開されません。どれだけの動物が使われたか、どのような方法で実験が
行われたか、何故その実験が必然なのか、私たちが知らされることはありません。
また、多くの動物実験が実は安全な新薬発見を阻害していることは一般的に知られて
いません。ペニシリンは、動物実験のために発見が10年も遅れました。1929年
に、ペニシリンによってモルモットとハムスターが死んだため、人間に有効な医薬品
としての可能性を除外されてしまいました。もしも1940年代にペニシリンに対し
て再度動物実験が行われていたら、ペニシリンばかりでなく抗生物質全般に関しても
承認されていなかったでしょう。
( 参照: http://arcj.info/jfma/qa.html#1
Japanese for Medical Advancement / 多くの同様の例が紹介されてお
り、代替実験法の優位性についても説明されています)
動物たちは人間の言葉で訴えることは出来ません。しかしその表情と行動で一目瞭然
です。こうしたCovance社の虐待にさらされる動物の犠牲によって誰が得をし、本当
に誰が救われているのでしょうか。
ここまで読んでくださり、誠にありがとうございます。
尚、PETAのプレスリリースと日本航空西松社長への手紙(添付#1)、Covance社の連
邦法違反行為に関する情報(添付 #2 および#3)もあわせてご送付致します。
末筆ながら、貴殿のご活躍とご健勝をお祈り申し上げます。
PETA 代表
イングリッド・ニューカーク