昨日もまた、「動物実験施設の登録制などの法制度を導入すると、科学研究が減速する」という主張を耳にしました。
しかし今日は、新聞記事でこんな文章を目にします。
医薬品開発で欧米に後れを取り、韓国、中国などアジア諸国からも猛追される日本。すでに「医薬品の輸入大国」となっている。
【医薬最前線】第5部 飛躍明日への処方箋(2)縦割り廃し、基礎から臨床へ
2011.2.28
http://sankei.jp.msn.com/life/news/110228/bdy11022808010000-n1.htm
日本は医薬品開発で欧米に遅れをとっているそうです。それにもともと、製薬企業の売上高ランキングも、上位はEUやアメリカの企業ばかりですよね。
で。
そういう企業のある国々には、動物実験施設の登録や国による立ち入り監査制度があるわけです。(下記参照) 
そして、規制のない日本は、今、遅れをとっているという。
どうしてそれで、「規制(といっても登録とかその程度)で減速する」という話になるのか、まじめに理解できません…。
もちろん、ここで、「日本は前臨床で規制の国際水準に対応できていないから、商品も国際的に戦えなくなってきてるのだろう」などと推測するのは飛躍だと思いますが、ただ……たかが動物のことではありますが、国際的な動向や時代の変化に対応することを拒む日本の体質って、もしかして一事が万事で他の面にも影響しているのでは?と余計な心配もしてしまいました。
参考:
文部科学省科学技術・学術審議会 研究計画・評価分科会 ライフサイエンス委員会
動物実験指針検討作業部会(第2回) 平成17年10月4日
資料2-1 海外における実験動物の取扱いに関する法令や基準等の整備状況・運用状況の調査

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