国会でも動物実験について質疑されています。探してみたらさまざまあって、何となく歴史を感じるので、古いものから並べてみました。日本が海外からバッシングを受けた動物実験にまつわる大きな事件は、ほぼ国会で取り上げられてきていますが、逆に「シロちゃん事件」「ブルー十字動物血液センター事件」のような国内の問題は話題になってこなかったようです。(検索機能を使って調べたので、もれはあるかもしれません。「これこれこういう動物実験がされている」等の一般的な記述はたくさんありますが、それらは省きました。)

発言者呼称含め、関連部分の議事録をそのまま転載しました。適宜、ピンクの文字で強調しています。

質問主意書編はこちら

 

1969年

第61回国会 参議院外務委員会 10号 昭和44年05月08日

加藤シズエ議員
日本の犬の扱いがひどいとイギリスからバッシングを受けていた頃の国会質疑です。
実験犬の扱いがひどいという福祉協会の訴えについて述べられています。

1973年

第071回国会  衆議院予算委員会第三分科会 2号 昭和48年03月03日
第071回国会  衆議院予算委員会第二分科会 2号 昭和48年03月03日

大出俊議員
旧「動物の保護及び管理に関する法律」成立年の質疑で、動物実験を含めた動物保護法の成立をもとめる内容です。
まだ動物実験については詳しく述べられていません。

1975年

第075回国会 衆議院予算委員会第一分科会 1号 昭和50年02月24日
第075回国会 衆議院予算委員会第三分科会-3号 昭和50年02月26日
第075回国会 衆議院予算委員会第四分科会 昭和50年2月27日

大出俊議員
旧動物保護法(動管法)についての質疑。特に下2つが、海外に比べて日本に動物実験に対する規制が何もないことについてのやり取りとなっています。

1986年

第104回国会 参議院科学技術特別委員会 7号 昭和61年05月09日

高桑栄松議員(医学者)
霊長類研究所のサルの実験が国際的に批判を浴びた事件などについて。
医学者である高桑栄松議員の発言から、当時の研究者の驚きぶりが垣間見えます。

1987年

第108回国会 参議院内閣委員会 3号 昭和62年05月21日

久保田真苗議員
屠殺の方法についてと、非難をあびた自動車衝突事故の動物実験について。

第108回国会 参議院文教委員会 3号 昭和62年05月21日

高木健太郎議員
医の倫理教育の話題の中で、霊長類研究所のサルの実験が国際的に批判を浴びた事件についても少しだけ触れています。

第108回国会 参議院環境特別委員会 3号 昭和62年05月25日

近藤忠孝議員
1980年代、日本がシエラレオネの希少な野生チンパンジーを医学研究用に大勢輸入し、国際的に非難を浴びた件について質疑されています。

1994年

第129回国会 衆議院予算委員会第一分科会 1号 平成06年06月07日

山名靖英議員
諸外国と比較して日本の制度が遅れているのではないかという指摘。また、払い下げ問題や、代替法開発についても言及されています。

1999年

第145回国会 衆議院厚生委員会 9号 平成11年05月18日

吉田幸弘議員(歯科医師)
旧動物保護法(動管法)の初めての改正の前の質疑です。どちらかというと、動物保護は研究阻害という立場から守りに入っている印象を受けます。

2002年

第154回国会 参議院環境委員会 7号 平成14年04月11日

谷博之議員
鳥獣保護法改正時。医学研究目的のニホンザル捕獲は鳥獣保護法違反であることが国会質疑でも確認されました。

第154回国会 参議院環境委員会 8号 平成14年04月16日

参考人質疑
鳥獣保護法改正のための参考人質疑。二人の参考人が医学研究目的のニホンザルの違法捕獲について言及しています。

第154回国会 衆議院環境委員会-17号 平成14年06月11日

藤木洋子議員
2000年に報道された実験用ニホンザルの違法捕獲問題について。

第155回国会 参議院厚生労働委員会11号 平成14年12月03日

谷博之議員
動物愛護法、実験動物基準の改正、犬・猫払い下げ、データベース化による情報の共有など。

2003年

第156回国会 参議院厚生労働委員会 15号 平成15年05月22日

谷博之議員
動物実験代替法の促進について。予算があまりに少ないことに驚きました。

2004年

第159回国会 参議院文教科学委員会 15号 平成16年05月11日
第159回国会 参議院厚生労働委員会 16号 平成16年05月13日

谷博之議員
東京理科大の実験動物の取扱いについて。事件の詳細はこちら

2005年

第162回国会 参議院文教科学委員会-10号 平成17年05月17日

下田敦子議員
動物愛護法改正に関連して、実験動物の使用数の把握ができていない件と、実験動物中央研究所がカルタヘナ法違反で厳重注意を受けた件。

第162回国会 衆議院環境委員会-14号 平成17年06月07日

田島一成議員
動物愛護法の2度目の改正が衆議院を通過した日の一般質疑です。動物実験については、実験動物を取り扱う業者について、3Rについて、ガイドライン策定についてなど。かなり時間が割かれました。

第163回国会 衆議院環境委員会 2号 平成17年10月14日

高木美千代議員
動物愛護法改正後、ガイドラインの策定について。ただ、自主規制路線を守る方向に感じられます…。

2008年

第169回国会 参議院環境委員会 6号 平成20年05月20日

加藤修一議員
ペットフード法の質疑ですが、EUの動物福祉5カ年計画について述べられており、動物実験の3Rについても最初の方に一言出てきます。

第169回国会 参議院環境委員会 7号 平成20年05月22日

川田龍平議員
改正動物愛護法に関する質疑。3Rについて、実際に削減されているかどうかを把握する仕組みはあるか、など。

第169回国会 衆議院環境委員会 11号 平成20年06月06日

藤野真紀子議員
ペットフード法についての質疑。ペットフードについて、あらたに動物実験されることのないようにと発言してくださっているのが感動です。

 
第169回国会 衆議院環境委員会 12号 平成20年06月10日

馬渡龍治議員
動物愛護法に関する質疑。動物実験施設の所在を把握する取り組みをするべきではないか。

2009年

第171回国会 衆議院経済産業委員会環境委員会連合審査会 1号 平成21年04月08日

田島一成議員
化審法改正のときの質疑です。答弁に、動物実験代替法の開発についてもとりくむと出てきます。

第171回国会 参議院経済産業委員会、環境委員会連合審査会 1号 平成21年04月28日

岡崎トミ子議員
化審法改正。動物実験代替法についてや、情報の共有による実験の回避などについて、はっきりと聞いてくださいました。

第171回国会 参議院 経済産業委員会 11号 平成21年04月30日

山根隆治議員
同じく化審法改正についての質疑です。動物実験代替法やJaCVAMについて。予算だ、という指摘も。代替法の開発・促進をうたった附帯決議につながりました。

第171回国会 衆議院環境委員会 9号 平成21年06月26日

木挽司議員
動物愛護法に関する質疑。EUでの化粧品の動物実験禁止の話題に触れています。

 

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